墓石の設計図を見て思うこと | お墓の値段はいくら? 富山のお墓の営業マン・宮崎が正しいお墓の建て方を教えます。(富山・石川良いお墓研究所)

お墓の値段はいくら? 富山のお墓の営業マン・宮崎が正しいお墓の建て方を教えます。(富山・石川良いお墓研究所)

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設計図を見たらどういう意図なのか分かるんですよ。


「良い石材店を教えて下さい」と日本各地から相談されます。
答えは、「設計図と見積書を送って下さい、比較いたしますので」、としかしか言えません。

設計図を見て石材店が何を考えているのか、そしてそれに見合った価格なのか。
それを私は比べて相談者に答えています。

それ以外に良い石材店だと判断する事は出来ないのです。
もちろん施工が上手かどうかは分かりません。
ただ良い設計図を書く石材店は一般的に施工も上手なケースが多いです。


墓石の設計図は何を語っているのでしょう


大きく分けて以下のような設計図があります。
  • 価格を安くしたいと思うあまり、才数をケチった設計図
  • 周りの状況をあまり考えていない設計図
  • 構造を重視した設計図
  • デザイン重視の設計図
あ、それと基準をクリアしてある設計図(手直しは無い)もあります、失礼いたしました。

設計図を見て「これは完璧だ!」と思うものより「ちょっとおかしいなあ」と思うほうが多いです。(自分の事は棚に上げて、笑)

人様が作られた設計図っておかしな箇所が良く分かるんですよね。
将棋や碁を打ってる人を横で見てたら、「あっ、それじゃ無いでしょ」と思うのと同じなのかもしれません。
ただ事実として「完璧です!」というものは少なく「少々手直しした方がいいのになあ」と思う事の方が多いです。

具体的に言ってみます。

価格を安くしたいと思うあまり、才数をケチった設計図


またまた手書きの図ですが丘カロート型外柵を側面から見た図です。

もちろん上の図の方が才数をケチった設計図です。
外柵でも納骨室の方が石を多く使います。
置き燈籠などを置いたりする前の部分の方が才数が少ないので長くしてるんです。

お墓も、例えば洋墓だと台石の奥行きも狭く必然的に竿石の奥行きも小さくなります。
いままで見た設計図で竿石の奥行きが6寸だったのがいちばん寸法が短かったです。(墓地の大きさ=1坪くらい)

洋型のお墓で竿石の奥行きが短いと、かなり貧弱に見えます。
お墓の前ばかり広くとって墓石自体も貧弱に見える、これは設計図を見た一般の人はなぜこのような設計図なのかと理解することはできないでしょうね。

巻石の幅を小さくして才数をケチった場合です。(たいして変わらないのに・・・)
幅4寸と幅3寸では1寸(約3cm)しか違わないのですが、見た目はぜんぜん違います。

巻石の幅って大概が4寸です、3寸だとみすぼらしいというか貧弱と言うか。。
本当に3寸だとみっともないです。(小さいお墓なら3寸で良いです)

巻石の寸法を設計図で見たところで何も気がつかないことでしょう。


とにかく才数をケチった設計図はとことんケチって有りますので(一か所や二か所ではない)、建ったお墓がかなり貧弱に見えると私はイメージを持つことができますが消費者の方々はイメージが思い浮かばないかもしれません。

気をつけましょう!


周りの状況をあまり考えていない設計図


ある呉東地区の公営墓地なんですが1.5坪弱(間口9尺はなかったです。8.5尺くらいでした)のところに4尺や4.5尺のお墓がたくさん建っており中には5尺のお墓もあります。

これだけでもギリギリで窮屈なんですが、墓前燈籠まで建っています。
それも角燈籠までも。

その墓地は背中合わせにもなっており、両サイドのお
墓にも燈籠が建っていたら、、、
いったいどうやってお墓を掃除するのでしょう。

隙間があまりなく大人の男性は絶対その間を通り抜けて後ろに行けないと思うのですよ。
実際に私は後ろに行くかどうか試してみましたが角燈籠の場合は無理でした。
まあ、メタポなので最初から無理とは分かっておりました。(笑)
でも普通の人だって通れないんじゃないかな?

もし自分の区画の両隣に既に角燈籠付の4.5尺くらいのお墓が建ってたら、、、そこに角燈籠など建てたら後ろに行けないですよ。
実際にそういうのも見ましたし。

燈籠を建てなかったら両隣のお墓の持ち主は確実に自分のお墓の敷地から掃除をします。それが嫌だと燈籠つければ大人は回り込めないし、あの墓地は燈籠禁止とかにすりゃいいのに。

実際に寺院墓地では燈籠の設置を禁止してるところもあります。

痩せた方なら燈籠とお墓の間をすり抜ける事はできそうですが、私は無理でした。

こういう事が予測される設計図は書いちゃだめですよ。消費者は分からないのですから。


構造を重視した設計図


構造重視派に私としましては、とても良い設計図だと思います。

構造を重視した設計図をつくれば必然的に才数は上がるので見積もり価格は高くなります。

先日ある墓地で最近建てられた関東の丘カロート型のお墓を見ました。
関東のお墓と決定的な違いは笠石が一枚石です。もちろん観音開きでした。
玉垣のような外柵もつけてあり、背面は下から4尺以上もある一枚石でした。(幅は6尺くらいだったと思います)

かなりの量の石を使ってます。

関東の場合は真ん中に納骨室を石かコンクリートで作って笠石は一枚石ではなく両サイドの張り石に芝石を上からかぶせる形になっており、中には水は浸入しないようになっています。

石屋が見れば「かなりの石を使ってる」と分かるんですが、一般の方々はデザインと石の色などは分かりますが、構造はよく理解できないと思います。
ましてや設計図の段階では無理かと。

見積書は設計図と照らし合わせて検討しなくてはなりません。


デザイン重視の設計図


完全なデザイン墓ではなくても洋墓の場合は少しデザインに手を加えるとかなり印象が違ってきます。
和墓はシンプルに、洋墓は少しデザイン的に、と私は思っています。

どちらにしろシンプルな形を好む石材店とデザイン性を重視した石材店があるので、自分の好みの方を選んで下さい。

考えなくてはならないのは特殊な加工費です。

銀杏仕上げや蓮華加工費など、最近は別途料金になっています。
(東京では水垂れつけるだけで加工費がかかると知って驚いたこともあります)

デザイナーズ系のお墓なんですが、あのデザインはめっちゃ「加工精度」を求められます。
デザインは確かにカッコ良いかもしれませんが構造的にはお勧めできないものもあるんで、選ぶときは慎重に選んで下さい。

角と角を合わせる構造なのでピッタリな寸法でないと段差が出来るんです。
富山のお墓で貼り合わせ型の納骨室のお墓の背面ですが、ここって加工と施工の上手さが求められるとこなんですよ。
目地が大きすぎたらダメだし、下手な施工の場合は段差ができてしまうんですよね。

ロイアリティもあるだろうし、高いのは仕方ないでしょうね。
基本的に黒い石を使ってるデザインが多いですし。


あなたは設計図を見て自分のお墓が建ったイメージを想像できますか?


公営墓地である程度規格が決まってる場合以外はよく分からないのではないでしょうか?

墓地で良く似たお墓を見学して「こんな感じになるのかな?」とは思われるでしょう。

お墓が建てばちゃんと立派に見えますが、設計図の段階で手直しが必要だった箇所は分かりますか?
もちろん根本的に間違ってるというものではなく、ちょっとした事です。

例えば富山で3.8×3.5尺の和洋墓を建てるとします。(笠石の前が3.8尺で奥行きが3.5尺)
竿石の奥行きが1尺だと少し重量感が無い印象を受けます。
1.1尺にしましょう。
僅か奥行きが3cm増えただけで印象が違うのです。
ここ、本当に大事だと思います。

そういう設計図でも消費者は何がおかしいのか分からないのです。
なのでいくつかの石材店から見積もりを取った時には見積もり価格ばかりでなく、どのような設計図なのか理解する必要があります。

設計図では同じ場所の寸法を比べてみてください。

最近はメートル法で寸法を表示する石材店も増えました。
1坪の正方形の墓地は1800mm×1800mm=180cm×180cm=6尺×6尺です。

巻石の幅が35という表示がある設計図を見て、全部一桁違うので違和感を覚えた事があります。
35って3.5寸なんですよ、ややこしいですよね。
これって他の石材店の寸法の表示と変えて、、、何か裏があるのかとさえ思いました。
これも消費者を欺く手なのでしょうか?



私は設計図を見れば石材店の意図が分かります。
とにかく価格を下げたいのか、(競合の場合など)
販売価格を上げたいのか、
口ではごまかせても設計図はごまかせないのです。
良い設計図をみると、「この石材店は良い石材店と言っていいかもしれない」と思います。