検索項目で多い納骨室の構造(カロートの構造)
もちろん「富山 墓」というキーワードが一番多いのですが、納骨室の構造についてに検索項目もかなり多いです。
「お墓 カロート 構造」
「富山 カロート 大きさ」
「墓のカロートの構造」
など納骨室の構造について検索される方が多いので今回は富山のお墓の納骨室の構造について、手書きの汚い図を使って説明します。(きれいじゃなくて、すいません)
富山県の納骨室の構造は3つ、「くり抜き型」、「貼り合わせ型」、「柱型」
富山県のお墓は全国的にも珍しい納骨室が地上で、墓石本体と舞台に分かれます。
地下カロートの地域では納骨室を含めて「外柵」といいます。
富山=墓石本体(納骨室含む)+舞台
全国=墓石本体+外柵(納骨室含む)・・・丘カロートの場合
(本来、墓石本体は笠石より上のことを表すのですが分かりやすいようにお墓本体と書いています。)
↑↑これは納骨室のイメージというか形です。
くり抜き型と貼り合わせ型があります。柱型はこのような石からは作りません、部品単位って感じです。
くり抜き型の納骨室の構造
くり抜き型の構造は呉西地区や富山市の一部で多く見られ、呉東地区ではまず見かける事はありません。
理由は後ほど。
先ほどの石を「コの字」にくり抜くとこのような形になって、この構造の事を「くり抜き型」といいます。
納骨室の構造三種においていちばん強度がありますが、石をたくさん使うので才数が多くなってしまい必然的に価格は高くなります。
4尺までのお墓に多く見られますが主流は3.5尺か3.3尺です。
確認するにはお墓の後ろにまわって見てください。
つなぎ目がなければくり抜き型です。
魚津や黒部のように5尺のお墓を建てる地域ではまず見かけません。
なぜならお金がかなりかかるからです。
5尺の和墓は竿石1.3尺ほどもあり、納骨室をくり抜き型で作ると120才にもなります。
才単価が4万円の石を使ったとしましょう。
4万円×120才=480万円になります、お墓本体だけです。
ここに蓮華加工費や銀杏仕上げなどの特殊加工が加われば500万円オーバー。
さらに舞台を設置しなくてはなりません。
そして才単価4万円では石材店にもよりますがインドの石を使うのは難しいでしょう。
ましてや国産石など絶対に無理でしょう。
4尺の和墓ですが、いまこの大きさでくり抜き型のお墓を建てるといくらするんでしょうね。
65才以上にはなると思います。
蓮華加工費、銀杏仕上げ、竿石も額面仕上げになってますし、、、
くり抜き型のお墓は3.5尺以下のお墓に多く見られます。
3.5尺で45才、3.3尺で42才、くらいではないでしょうか。
石材店によって石をケチった構造もありますが、この大きさではせいぜい3才くらいしか小さくできないので、そんなしみったれな事はしないほうが良いと思いますよ。
くり抜き型が建てられる地域とお墓の大きさ
呉西地区に多い
富山市でも見られる
呉東地区は少ないが4尺以下のお墓の場合はくり抜き型もある。
大きさは
和墓なら
3.3尺、3.5尺に多く見られます。
3.8尺も時々見られますが4尺以上になるとかなり少ないです。
5尺でもほんの僅かですが建てられています。
洋墓であれば
3.8×3.5尺以下のお墓で見れます。
貼り合わせ型のお墓の構造
県下全域にみられます。
ただ呉東地区は柱型が多いです。
見た目はくり抜き型と変わりません。
確認するにはお墓の後ろにまわってみてみましょう。
合わせ目があれば貼り合わせ型です。
納骨室の背面の写真ですが合わせ目がみられますね。
このように貼り合わせます。
利点としては、
加工がしやすい
価格が安くなる
です。
強度はくり抜き型に劣ると思いますが最近のボンドでの施工であれば問題はないのではないかと思います。
ただし施工が上手であることが条件です。
下手な石材店だと石がズレてたりつなぎ目が大きくなるなど、不具合が見られます。
また貼り合わせ型のお墓は必ず晴れた日に建てなくてはなりません。
雨の日に濡れた石をガスバーナーであぶって表面だけを乾かしてボンドで接着することはありえません。
この構造のお墓を建てる人は石材店に
「必ず晴れた日に建ててください」とお願いするのがいいでしょう。
大きなお墓には有効ですがかなり小さなお墓には向かない
5尺のお墓などくり抜きから貼り合わせにしただけで20才以上石が節約できます。
使う石にもよりますが150万円くらいは節約できるんじゃないでしょうか。
ただし3尺のお墓でくり抜きなら30才程度、くり抜きにした場合はほんの数才節約できるだけなのでくり抜き型にした方がいいと思います。
3.3尺や3.5尺のお墓であれば数十万お安くなる場合があるので考えてみたらいいでしょう。
予算が無い場合には貼り合わせ型は価格をおさえられるので有効な方法だと思います。
柱型のお墓の構造
魚津や黒部で多くみられるのが柱型です。
くり抜き型では予算がオーバーする場合に用いられるのですが、呉東地区では見積もりにくり抜き工法が入っていないので柱型を推奨する石材店が多いです。
柱の部品と柱を4本建てた納骨室を上から見た図を書いてみました。
手書きなので正確ではないかもしれませんが、ほぼ図は間違っておりません
納骨室背面板と側面板の厚さは1.5寸~2寸くらいです。
貼り合わせ型よりも少し薄いですね。
この工法も大きなお墓には有効ですが3尺のようなかなり小さなお墓にはあまりむいていません。
納骨室としてはいちばん才数を少なく出来るので呉東地区では主流の建て方です。
呉西地区では柱型よりも貼り合わせ型のほうをお勧めします。
最近の富山のお墓の構造について
くり抜き型のお墓を推奨されていた石材店さんんも見積書には貼り合わせ型の見積もり価格を載せるようになったようです。
3.5尺のお墓で8才~10才くらいの石を節約できる事により30万円~数十万円も価格が安くなるわけですから「構造第一」といってこのまま進んでいけば時代の波に乗り遅れると判断されたのでしょうね。
ボンドを使用する事によってかなり強度はが上がったのが理由だからだと思います。
一つの例として、
150万円で建てることが出来ていたくり抜き型のお墓が200万円必要になってきました。
そうすると納骨室の構造をくり抜き型から貼り合わせ型(私は貼り合わせ型の方が柱型よりも良いと思っています)に変更したらいいと思うのは誰でも同じではないでしょうか。
加工精度が良くて晴天の日にボンドを使用して上手に施工すればくり抜き型にも劣らぬ納骨室になります。
(加工精度が悪く雨の日に下手な職人が施工したらダメ、笑)
構造を重視し石を安いものにするのか、それとも納骨室の構造をかえるのか!?
ここで質問です、あなたはどちらを選びますか?
- インドの石を使用して貼り合わせ型の納骨室の構造にしたお墓
- 中国白御影石を使用してくり抜き型の納骨室の構造にしたお墓
どちらを選びますか?
難しい質問でしょう?
どちらが良いのかはお客さんは判断できないので、担当者が進める方に決められると思うので、担当になった営業マンがどちらを勧めるかが重要です。
どちらが良いのかは私の中では決めているのですが、、、、、ブログに書いてしまえば訂正できないし、その判断が絶対でもないので書きません。
もちろんインドの石を使ってくり抜き型にすりゃいちばん良いんですよ。
(*^_^*)
今後の富山の建墓は私の主観としてはくり抜き型がぐっと減って貼り合わせ型のお墓が多く建てられるようになると思います。
石の値段が上がって墓石購入費が下がれば当たり前の事でしょう。
予算がある人へ!
舞台を重視してください。
呉西なら基礎石一枚盤を使用することをお勧めします。
呉東なら墓石と同じ石で舞台を作れば見栄えも良くなります。