アンケート分析・お墓の形
和型のお墓が50%を切り、シンプルな洋型が33%、デザイン墓が12.8%
デザイン墓が洋墓の延長と考えれば和墓と洋墓の比率はほぼ互角です。
無回答が0.5%、その他が4.2%いるので実際に建てられたお墓は和墓が50%を切ったとは言えず、「全国平均で伝統的な和型が初めて半数を割る」というのは、いささか誇大誇張ではないかと思います。
洋墓がふえてきた要因
- 墓地で他の和墓との大きさの比較をされても関係ない
- 公園墓地でそもそも洋墓しか建てられないから
- お墓の大きな地域では和墓は掃除がしにくいから
- 石を自由に選べる
- 形が自由だ
- 自由な文字を彫刻できる
墓地で他の和墓との大きさの比較をされても関係ない
お墓を建てる時に墓地でまわりの状況を確認します。その時に大きさが二段階小さかったらかなり貧弱に感じます。どうしても両隣のお墓の大きさがきになるところです。
しかしながらお子さんのいらっしゃらないご夫婦であるとか、大きなお墓が必要でない場合は洋墓にすると比較されなくていいのです。
公園墓地でそもそも洋墓しか建てられないから
最近は公営墓地が芝生を張りめぐらし「公営墓地」として開発される場合が増えてきました。そのような墓地の場合は形までも統一されてる場合も多く石の色を変える事でしか特徴を出せません。
また民営墓地でもおしゃれな霊園を開発されて、そういう墓地では色目の派手な洋墓が良く似合うのです。
お墓の大きな地域では和墓は掃除がしにくいから
例えば富山県や九州の一部などでは納骨部が地上にある「丘カロート」と呼ばれるお墓の形が多くみられます。
富山の西部ではお墓の高さが2メートル20センチくらいが平均で、東部だと3メートルを超えるお墓も多くみられます。こういう地域にお住まいのお年寄りの中には「掃除が大変だから」と洋墓を好まれるケースが増えてきました。
石を自由に選べる
洋墓は自由に石を選べます。ニューインペリアルレッドなど真っ赤な洋墓を多く見られるようになりました。和墓につかわれる事もありますが稀です。
中国には赤系の石はいくらでもあります。緑系も豊富ですしあの大きな大陸ですからこれからどんあ色の石が出てくるのか楽しみです。
インドにはマハマブルーなど鮮やかな流れ模様の石がありますし、今後これに似た綺麗な石が多く産出されるでしょう。このような石はやはり洋墓に似合います。
形が自由だ
ピアノの形をしたお墓やソファーの形をしたお墓もあります。斬新なデザインで自主性をアピールできます。
自由な文字を彫刻できる
「愛」という一文字を彫刻してある和墓は見た事がありません。「先祖代々之墓」とか「南無阿弥陀仏」など決まった文字以外にいろんな文字が彫刻できます。
「ありがとう」と黒い石に彫ってあるのをよく見ます。
和墓を選ぶ理由
お墓を建てる方はまだまだ和墓は多いです。石材店の中には「洋墓は墓ではない!」と言い切られる人もいらっしゃいます。
シンプル・イズ・ベスト という言葉があるようにシンプルな和墓を好まれる方は石も白系の石を選ばれる場合が多いですね。
最近では和墓もかなりデザインが洗練されてきて見栄えの良いお墓も多くあります。
地域によるお墓の好まれる形
関東は圧倒的に洋墓が多い、デザイン墓は北海道・東北・九州
ファッションの中心が東京であるようにお墓のデザインも明らかに東京がリードしてます。北海道・東北・九州ではデザイン墓が多いのですが地元の石材店がデザインしてるとというよりデザイン墓をメインに売ってる商社などがデザインしています。
地方の石材店は小規模の石材店が多いのでデザイナーを雇う余裕と需要もないので商社からデザイン墓を購入するのでオリジナルなお墓をめったに見ることはありません。
確かにデザイン墓を特集した書籍を見ると北海道・東北・九州が多いのですが住んでる人間の考え方でしょう。ちなみに富山県でも西部はシンプルなお墓を好まれ彫刻文字にも色を入れませんが東部ではデザイン性を重視して彫刻文字にも色をいれます。同じ県内でさえもこのくらいの差があります。
このアンケートでやや不十分だと思えたのが、「年代別の好むお墓の形」がのっていない事です。
やはりデザイン墓は若い世代のほうが好むのではないかと思っています。