めったに病気にならない僕。

風邪も何年も引いていない。

だからなのか、自分に熱がある事すらも 自分で気付く事が出来なかった。


事務のFさんは大層洞察力のある女性で

「あの人前髪切った」

とか

「あの人の今日のネクタイ 絶対女性が選んだデザインだ」

とか

「あの人とあの人 最近ちょっと怪しい」

とか

他人の変化にとても鋭い。


そんなFさんが気付いてくれなければ、きっと僕は自分に熱があった事など知らずに過ごしていた事だろう。

鈍感…

この一言に限る。


思い起こせば、僕は子どもの頃から

骨折にも

中耳炎にも

おたふく風邪にも

40度もある熱にも

全く自分で気付く事が無く

いつだって僕以外の誰かが気付いてくれて 発覚していた。


一体どうやったら、こんなにも自分の身体の変化に鈍感で居られるんだろう。

気付いてしまうと、確かに自分でも不安になるだろうけれど

自分で気付く事が出来ないと、手遅れになってしまう事だってこの先無いとは限らない。

もっとこう

自分の身体の変化に敏感になりたいもんだけど 一体どうしたらそうなれるんだろうか・・・


そんな事を考えていた数日前の事


僕が以前勤めていた会社の大先輩で、その会社を定年退職し、今は僕の会社で簡単な外回りの仕事をしているお爺ちゃん

Kさんから電話が入った。


Kさんは70歳になろうかという高齢。

以前はとっても厳しい人だったが、今は何だか身体も小さくなって、僕はいつもこのKさんが気がかりで仕方ない。

普段は15時頃に帰社するけれど、16時過ぎても帰社しない時は心配で心配で思わず電話をしてしまう。

夏はどこか外で熱中症になって倒れてしまっていないだろうか。

秋は 夏との気温差にやられて、どこかで倒れてしまっていないだろうか。

冬は視界が悪くて運転中に事故でも起こして 、どこかで助けを求めていやしないだろうか。

春はボーッとしてスリップして車ごとどこかに転落して苦しんでいやしないだろうか。


そんな僕のしつこさに負けたのか

最近ではすっかり15時を過ぎて帰社になりそうな時は、Kさんの方から僕に電話を入れてくれるようになっていた。


僕「もしもし梨亜です!何かあったんですか?」

Kさん「今日はちょっとだけ帰り遅くなりそうなんだわぁ」

僕「どうされました?」

Kさん「そうそれー心配すると思ったからさぁーいやぁーなんだか朝からろれつが回らないんだよねぇ」


ろれつが回ってないのは、いつもの事らしいですよ。

他の事務員さんは全員、Kさんの言葉が聞き取れないって言ってます。

…とは言えない。

ってか

ろれつが回らない・・・?


僕「ろれつが回らないって・・・大丈夫なんですか?」

Kさん「大丈夫大丈夫!ただちょっと手も痺れてねぇ 車休み休み運転してるから」


手が

痺れる・・・?

Kさんが何やら喋り続けているが

僕の頭の中は

ろれつが回らない事と、手が痺れるという情報でいっぱいだった。

ろれつが回らなくなり、身体の一部に痺れが出る・・・


僕「病院へいってください!」

Kさん「え?いやいやぁ大丈夫だよ!大したことじゃないから」

僕「脳梗塞や脳腫瘍の恐れがあります!運転は危険なのでやめて下さい!近くに脳神経外科はありますか?」


高校一年の夏休み

寿司屋でバイトしていた頃、僕に色々と教えてくれていた恩人の板さん(S爺)が

以前 同じ症状を訴えて 「今日の夜にでも病院へ行ってみるさ」 と言っていたその日の夕方に突然倒れ、病院で脳梗塞と診断され

そのまま二度と板前には戻れない程、後遺症が残ってしまった事を思い出した僕。

S爺は結局 ずっと板前の仕事しかして来なかったのに、二度と包丁を握る事も寿司を握る事も出来なくなって、数年間お酒に溺れる生活を送っていた。

周りの人達は そんなS爺を見て

もっと早く気付いてあげて、もっと早く無理矢理にでも病院へ行かせるべきだったと後悔し

僕もまた、そんなS爺の姿を見て後悔で涙をボロボロ流したした事があった。

あの時の後悔を繰り返す訳にはいかぬ!!!


僕「そこどこですか?救急車を呼びますから住所を教えてください!」

Kさん「えぇぇ!?いやいや本当に大したことじゃないんだって!車だって会社のやつだし・・・」

僕「車なんてその辺に置きっぱなしにすりゃいいんですよ!レッカーでも何でも頼みますんで!とにかく早く病院へ行くんです!頭を激しく動かしたりしないで、すぐに病院へ!」


10分程電話で押し問答をして


Kさん「わ、分かった!すぐ近くに○○脳神経外科があるから、今タクシーで行ってみるから・・・それでいいかい?」

僕「いいです!仕事のことは任せてください!ちゃんと遅れても大丈夫なように手配しておきますから!」


やっとの事で説得を終えた僕。

ホッと一息ついて

Kさんの今日の仕事が明日以降になっても構わないよう、すぐに段取りをし始めた。

それから3時間後

Kさんから再び電話が入った。


僕「どうでしたか?」

Kさん「このまま最低2週間は入院だってさぁ」


そうでしょう!!?


Kさん「脳梗塞だって診断されたーいやー参った・・・びっくりだよ」

僕「びっくりじゃないですよ…だから言ったじゃないですかあぁ・・・何事も無くて良かった…○○脳外ですよね?車の回収と今日の荷物を取りに人を向かわせます。何か必要なものはありますか?」

Kさん「いや、うちのがすぐに荷物持って来てくれるから、とりあえず必要なものは無いよ。ありがとう」

僕「いえ、いいんです。仕事のことは一切考えずに治療に専念してください。現時点での症状は?」

Kさん「手の痺れがあるけど、薬で後遺症残らないようになると。かなり早期の発見だって言われたわ。あんたに病院行けって言われてなかったら、そのまま仕事続けてた所だった。ありがとね」


良いんだよ!

僕も良かった!

同じ事繰り返したら、後悔で押し潰されちゃう所だった!

あー ほんと良かったー!

Kさん入院のニュースは、あっという間に会社中に知れ渡った。

そして


Fさん「社長!早く気付けて良かったですね!」

僕「うん、昔知り合いに同じ症状で倒れちゃった人がいたから…気づくのが遅いと致命的な後遺症が残っちゃうこともあるし、Kさんが僕に症状を話してくれて良かったよ」

Fさん「そうだったんですねー、じゃあ本当にKさんは幸運だったんですね。他の人だったら気付かなかったかも知れないし。でも・・・社長」

僕「ん?」

Fさん「他の人の病気にいち早く気付くのも大事ですけど、ご自分の病状にももうちょっと敏感になった方がいいですよ」

僕「・・・えへ、僕には気付いて教えてくれるFさんがいるから」

Fさん「そういう事じゃなくてー!ちゃんとご自分で気付かないと!ご自分の身体のことなんですからね!?」



で・・・

ですよねー!!!?てへぺろ汗


ごもっとも過ぎてぐうの音も出ませ ん笑い泣き

(念のため病院に行ってきましたが、インフルエンザや風邪ではなく、疲労による熱だったようです)





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「わらしべ長者」がお金持ちになった“大切なポイント”のお話です。

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“わらしべ長者が取り替えるものに文句をつけていたら、お金持ちにはなれなかったでしょう。

あれがいい、これじゃイヤだと望む前に、今できていること、今持っているものに感謝してみる。

それがたとえ「わら一本」でも。”

人生とは、段階を踏んでステップアップしていくもの。

学校の勉強と同じで、徐々に問題の難易度も上がります。

できることが増えてきて、浄化も進み、次の段階へ進むためのちょっと忙しい時期がきます。

この時に「悩み」を感じるようになっています。

次のステージへスムーズに進むためのコツ、それは「今に感謝する」こと。

うるさい人たち、少ない収入、思うとおりにならない毎日・・・。

そんな負の要素にとらわれるのではなく、今あるものに価値を見出し、お礼を言いましょう。

それができると、いよいよ望んでいた憧れの階段に上がれます。

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神様からのGift Word
日下 由紀恵 著
永岡書店

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ある段階から急に次のステップへ進まない時があります。

そんな時は、「いま起きていることに感謝できているか?」を振り返ってみると、ほとんどの場合が感謝出来ていません。

問題や困難は、戦おうとすると余計に勢力を増してき ます。

手強いですね(笑)

受け入れて感謝すると、問題や困難も優しくなります。

例えば、すごく厳しい奥さんがいたとして、旦那さんが一生懸命指摘されたことに対して反論していたら、どうなるでしょう?

おそらく、もっと当たりが厳しくなります・・・。

「ありがとう、心配してくれて。本当、助かるな ~」って言いながら、しみじみと感謝したらどうで しょう?

少し優しくなると思います。

これは、相手が上司でも監督でも、体力が限界な時の坂道でも言えます。

富士山登山や、フルマラソンを、何回か経験している僕ですが、苦しいときに(ちくしょ~、なんでこんなことしてんだよ俺は!)って思いながら走ると余計に苦しくなってきます。

(ありがたいな~、走るのって気持ちがいいな~)っ て思いながら走ると、足が軽くなってきます。

嫌々やる勉強が頭に入らなくて、楽しむ工夫をして勉強すると、どんどん覚えられるのと一緒です。

豊臣秀吉さんがあり得ない大出世をしたのも、与えられた仕事を「ありがたや~、ありがたや~」って感謝しながら一生懸命やっていったからではないでしょうか。

「こんな仕事つまらない」「なんで自分ばかりこんな目に合うのか」などと言っていたら、ず~っと同じステージから上がれずに、一生同じようなことを言っているでしょう。

乗りこえなかった壁は、何度でもやってくるからで す。

ジョセフ・マーフィーは、

【思考の貧しさが現実の貧しさを招く】

と言いました。

自分の人格、人間力、人としての部分、磨いていきたいですね♪


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今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。

心より感謝します。
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それでは皆さん、素敵な日曜日をかお2キラキラ