本作は数回プレイしました。フランス崩壊ヒストリカルシナリオでは第1ターンで勝敗のゆくえが早くも決定してしまう気がします。ベルギー国内の英仏軍を包囲した時点で、その後の展開、勝敗が見えてしまいます。史実においても、資料によって若干違いがありますが5月15日(本作では第1ターン)に早くも独軍セダン占領~セーヌ河を渡河~アンツィジュール(セダン南方)反撃失敗したくらいに仏軍総司令官のガムランが「してやられました。我々は戦闘(戦争?)に敗れたのです」ってあります。テストで第1ターンのみプレイします。



1940年5月Ⅰ~9月Ⅱ(サドンデス有り)

ただし、5月Ⅰターンのみドイツ軍侵攻ターン、連合軍対応フェイズ、ドイツ軍プレイヤーターン、連合軍プレイヤーターンと事実上2回ターンを行う。

シークエンス

補給判定フェイズ

移動フェイズ

航空フェイズ

戦闘フェイズ(メイアタック)

機動フェイズ(戦闘/車両化ユニット再移動)

先攻ドイツ軍/後攻連合軍


シナリオ

「フランス崩壊」(ヒストリカルシナリオ)をプレイする。これにより初期配置指示のとおりにセットアップする。

注意本作は別に、「1940年の戦い」というほぼ自由配置シナリオがある。

プレイ前の確認事項

①連合軍対応フェイズ

ルール31C①第1ターンの連合軍対応フェイズ。フランス軍要塞地区ユニットは移動不可。これはオッケー。

15××以北でセーヌ河以東の仏、英軍はベルギーへ移動可能~フランス崩壊シナリオではルール33A②より「必ず」ベルギー又はオランダ国内にて移動終了とある。D計画にのっとって移動というワケだ。陰謀ルールだが。これもオッケー。問題ない。

独軍の侵攻を受けた中立国であるオランダ、ベルギーは連合軍対応フェイズ又は連合軍プレイヤーターンのどちらかに移動可能。これも問題ない。

最大の問題&疑問点。仏軍の総司令部予備などの部隊は、「連合軍対応フェイズ」に移動できるのか?

ルール31C①では仏、英軍のうちの「特定のユニット」は、対応フェイズに移動できる。15××以北でセーヌ河以東の仏、英軍はベルギーへ移動できると。ただし、鉄道移動は不可及び対応フェイズに移動すると連合軍プレイヤーターン移動できなくなる。と記載がある。

この「特定のユニット」とは、15××以北でセーヌ河以東の仏、英軍のみを指すのか?これら部隊のみ移動可能という解釈でいいのか?連合軍プレイヤーターンは独軍ゾック内の部隊は移動不可。仏軍の総司令部予備は移動力いっぱい移動可能。その他は移動力半減。(鉄道移動は可能と解釈でいいだろう)とある。これらから総合的に考えて、対応フェイズに移動できるのは15××以北でセーヌ河以東の仏、英軍のみ。仏軍の総司令部予備などの部隊は移動不可。という解釈でゲームを進める。

シツコク書くのはゲーム展開に重大な影響を与えるので。対応フェイズに仏軍の総司令部予備らが移動可能だと、独軍の侵攻を足止め/食い止めるのが「ある程度可能」となって、史実のような独装甲師団らのダンケルクへの突進~D計画で進出した英仏軍主力をベルギー国内などで包囲できなくなる「おそれ」が生じるので。

ただ、これでも「別の問題」が生じる…。詳細は後日。

②陣地の構築

本作はFire In The Eastみたく陣地構築について資源ポイント消費して構築というワケでない。さらには仏軍はかなりの工兵を有しているのでかなりの数の陣地を構築できうる。本作は2週間で1ターン。攻撃は1ターン1回のみ可能。オーバーランは10:1以上で言わば例外的に可能なので、突破前進が難しい。一見すると陣地は装甲AECA無効。戦闘修正マイナス1と影響は小さいように思われる。しかし、陣地は装甲師団のAECAを活用した独軍の侵攻を大いに妨害するのでゲーム進行与える影響は「全体として」大きいように思われる。そこで、陣地は敵ゾック内で構築不可としてプレイする。

③選択ルール

オランダ降伏の緩和。航空戦闘解決。航空戦闘選択バリエーション(空戦の解決サイコロを1個でなくて2個使用)などルール35の選択ルールはあえて使用しない。一般的に選択ルールを使用した方がよりリアルにプレイできて面白いのだが、本作は余計な手間なので使用しない。プレイ進行上影響はあんまりないと思う。

④マップについて

90センチ×60センチの机1個を使用する。マップ2枚中の1枚は半分カットする。マップ全部を広げられなくないが少々ジャマなので。半分カットによりブルタニュー半島、ボドー方面がカットされる。だが、独軍はここまで侵攻しない。ほとんどゲーム展開に影響しないので問題ないと思う。

⑤初期配置について

スイス侵攻はしないので配置しない。机をスッキリさせたいので。

独軍AAカウンターは使用しない。ジャマなだけ。独軍は2-10自動車化重AA連隊、0-1-10自動車化軽AA連隊が多数登場するので問題ない。ゲーム展開上問題ないと思う。

独軍作戦のポイント

①独装甲師団ら戦闘/車両化部隊の集中投入。

②連合軍と比較しての独航空機の数的、性能の優越。

独軍の作戦

史実であるマンシュタインプラン同様である。クライスト装甲集団、第4軍の装甲師団らによるベルギー国内のアルデンヌ突破~セダン占領~ミューズ河渡河~装甲師団らダンケルクなどソンム河口突進~D計画でベルギー国内に進出中の仏第1、第7軍及び英BEFの包囲。

オランダは通常通り侵攻~降伏させる。

ベルギーはエバン・エマール要塞空挺降下。ベルギー軍の撃破を目指す。

勝利条件

ルール34

基本的に陸上、航空ユニットの除去でVPゲットできる。なので独軍は何がなんでもパリ占領とかマジノ線突破/孤立とか困難さはさほどない。連合軍を撃破さえすればいいのだから。

ただ、ゲームバランスというかVPの観点から言うと独軍かなり有利。デザイナーもこの点に気づいていて、ルール35の選択ルールBで双方陣営を変えてプレイして勝者を決めるべきと提案している。
シミュレーションゲーム馬鹿一代記!-セットアップ全景1
セットアップ全景。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!-セットアップアルデンヌ
セットアップ。アルデンヌ~セダン。写真左が独A軍集団。侵攻の主力。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!-セットアップオランダ
セットアップ。オランダ方面。独B軍集団。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!-セットアップマジノ線
セットアップ。マジノ線。独C軍集団。

シミュレーションゲーム馬鹿一代記!-セットアップ2

セットアップ。緑色ベルギー軍。青色仏軍。肌色英軍。

英BEF、仏第1、7軍はD計画に備えてベルギー近隣にいる。