山上庄一自身としましては、しばらく高知市の方に出稼ぎに行っていたような感覚ですが、地区の皆様から見ますと、突然、戻って来て、市会議員選挙に出るとは、と顰蹙(ひんしゅく)をかう向きもあると思います。


それでも、自分の生まれ育ったところが、過疎化して行くのを何とかしたいと思う気持ちだけはありました。体の中にしみ込んだ祭のリズムや盆踊の太鼓などは、継承したいと思うところです。とは言いましても、宿毛市の人口は2. 3万人を切り、日本全体の人口も減る中では、どうしようもないと言われるかもしれません。


また、現実問題としても、どこまで出きるのかということもありますが、一生懸命に努力をしてまいりたいと思っております。


以前には、大変身勝手な考え方ですが、室生犀星の詩にありますように『故郷は遠くにありて思うもの・・』という感覚もありました。大島も、誰かが守ってくれるだろうと思っておりました。


それは、小さい頃に遊んだところなどは『あるべきところに、あるべきものがある』ということを、当然のことのように思っておりました。しかし、それが無くなるような気がしている昨今です。

しかし、大島地区などには、まだまだ良いところが残っていると思います。


その代表的なものは、近所付き合いです。強いコミュニティがあることです。

コミュニティについては、やはり、故郷の宿毛が一番であると再認識しています。それは、身近に気心が知れた方々がおり、また、かけがえのない兄弟や同級生などもおり、安心して暮らせるところになっているからです。

阪神淡路大震災の被災者の90%以上が近所の人々により助けられたといいます。


山上庄一まちづくり研究会-hanshin-daishinsai

中でも、淡路島の旧北淡町では、近所付き合いが頻繁で、被災した家から助け出すときにも、近所の人は、その家の誰が、どの部屋にいるかまで知っており、ピンポイントで助け出し、一命を取り留めた方も多くいたそうです。

一方、神戸市側では、近所付き合いが希薄で、隣が居るかどうかも分からず、後になって家の下敷きで亡くなっていたということがあったといわれます。


これは何を物語っているか、ということですが、いかに近所付き合いが大切か、ということです。強いコミュニティの必要性をよく耳にしますが、近い将来必ず来るといわれます南海地震に備えるためにも、大島地区などが持っている近所付き合いが大切であると思います。このような人的な環境も大切にしてまいりたいと考えています。

皆様のご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。

山上庄一まちづくり研究会-ikiume-kinzixyo