燃えよ剣〈下〉/司馬遼太郎 14247 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

燃えよ剣〈下〉/司馬遼太郎 14247

燃えよ剣〈下〉/司馬遼太郎
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燃えよ剣〈上〉/司馬遼太郎 14313
につづき。

と同時並行で書いた、という。

同じ時代でも同じ「幕末」「尊王攘夷」「大政奉還」でも、
見る視点によってこれほど違って見えるのか、
ということをまざまざと感じる。
後講釈ですら、こうであるならば、
まさに渦中にいた坂本竜馬や土方歳三からは
この幕末の日本はどの様に見えたのであろうか。

土方歳三にはこの徳川幕府や日本の行く末は見えていたものの、
「喧嘩屋」としては喧嘩を売り買いすることと
新撰組を最強の組織とすることしか興味が無かった、
と何度も書かれているものの、
はたして本音はどうだったのだろう。

実に小さな話だが、
この「燃えよ剣」に出てくる
「位打ち」
という言葉が印象に残った。
近藤勇や土方歳三に息も絶え絶えの徳川幕府は
顕職を大盤振る舞いするのだが、
末期の組織の良くある手、なのだそうだ。
この燃えよ剣、組織論としても実に興味深い。