沢庵―とらわれない心/松原 泰道 11013
- 沢庵―とらわれない心 (リフレッシュライフシリーズ)/松原 泰道
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★★★★★
蔵書の一冊で、何度も読んでいる本のはずだが、
「これほど良い本だったかな?」という
新鮮さと驚きを以って、拝読。
沢庵といえば、徳川家光や柳生宗矩の師匠として有名だが、
私の中では吉川英治の名作「宮本武蔵」の中で、
武蔵に禅の心を説いた沢庵として、深く心の中に残っている。
家光は「禅宗でいうさとりとは、どういうことか」と尋ねます。
和尚は答えて、
「さとりというものが別にあるのではない。
迷いがそのままさとりになる。
迷いがなければさとりはない。
眠ることがなければ、目が覚めることがないのと同じです。
迷いとは、心の眠っていること。
心の眠りが覚めるのがさとりです。
心が眠っていて覚めていないから、
自分の本当のすがたに氣がつかない。
人はとやかく自分のことばかり考えているために、
かえって自分の真のすがたに氣づかず、
見失ってしまうのです。
『おのれ』という自我の念が取りきれないために、
さまざまな欲や思いを生じ、道理にそむく心も起きるのです。
このような心の乱れが治まり、心の曇りの晴れたのをさとりと申します」
仕事や武道に通じるものを強く感じる。
仏教を、改めて、学びたくなった。