わが友・小沢一郎/平野 貞夫 09229 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

わが友・小沢一郎/平野 貞夫 09229

わが友・小沢一郎/平野 貞夫
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★★★★☆

中国出張の行きのフライト内で読む。


この時期に、実にタイムリーな本。


小沢一郎さんは、「田中角栄の秘蔵っ子」

と呼ばれ、昔から氣になる政治家だった。


著者が旧友で議員の同僚、ということもあり、

「政局話」が多くて少々お腹いっぱいになった。

政治家の皆さんは派閥内、政党内、国内の

権力闘争にこれだけのエネルギーを裂いているのか、

と思うと、それがとても怖く感じた。


マーケティング的にいうと、競争相手とのミクロ的視点でばかで、

世界・アジア・日本それぞれでのPEST分析などの外的環境や

顧客(選挙民?)、自社(商品である自分や政治信条、主張)にも

もっと頭を使ってほしい。


衆議院選挙を前にして各党のマニュフェストなどを

徐々に目を通しつつある。

残念ながら多少の例外を除き、

短期的で狭い視点、思い付き的な打ち手ばかりであり、

このマニュフェストをグロービスでレポートして出したら

間違いなく最低評価だろう(苦笑)。


世界はどうなるのか。その中で日本はどうすべきなのか。

その様な政治「家」としての高いビジョン、広い視野と

ライバルをいかに蹴落とすべきなのか、

次の選挙をどうすべきなのかという政治「屋」の思惑と。

共に必要なのだろうがこれを両立させるのは

実に難しいことなのだなぁ、と感じる。


政治家も超人ではないので、(そうあって欲しいが)

何から何まで自分ひとりではできないだろう。

経営の世界だって、社長が全て考えることなんてありえない。

経営者も内外での優秀なブレーンの確保育成が不可欠だ。

例えば、

「政策立案等、頭脳の部分はすべて大前研一さんにお願いします。

自分は、実行リーダーとして、その具現化だけにすべてを賭けます」

なんて政治家が出てきても、それはそれで潔いと思うのだが。

・・・ちょっと酷すぎる?


本書の話からは相当ずれたが、

政治家の頭の中のシェアバランスの悪さに

氣がつかされる、と言う意味で読んだ意義があったと思う。