武術の新・人間学―温故知新の身体論/甲野 善紀 06175
- 甲野 善紀
- 武術の新・人間学―温故知新の身体論
★★★★★
そういえば甲野善紀先生の本を読むのは久しぶりかもしれない。
何しろ甲野先生の「成長」のスピードは凄まじく、
「先週とやってらっしゃること、おっしゃっていることが全然違う。。。」
と呆然とすることが良くある。
そんな先生なので、95年に書かれたこの本は
もう「古典」に近いのかも知れないが(笑)、
どちらかというとご本人の技術論というよりも、
古今にこれほどの「超人」が居た!というのを
甲野先生の目を通して座談している、という雰囲気の本である。
桜井章一さんから千葉周作まで、
独自の評点が楽しい。
甲野先生は、若干人見知りをさるし
また「この人には伝わらないな」と感じられると
口数が少なくなるが、
氣の置けない方だけの集まりになると、
とても興味深いお話をしてくださる。
解説の内田樹(たつる)先生もご指摘されているが
「座談の名手」だと思う。
道場で、稽古をひとしきりした後、
お茶をご馳走になりながら
先生のお話に聞き入っている。
そんな氣持ちになった。
- 甲野 善紀
- 武術の新・人間学―温故知新の身体論