天才の読み方―究極の元気術/齋藤 孝 05237
- 齋藤 孝
- 天才の読み方―究極の元気術
★★★★☆
ピカソ、宮沢賢治、シャネル、イチローという4人の「天才」に焦点を当てる。
私は本書において、天才を、才能があるから何の苦労もせずに
大きなことをなしとげた人、あるいは突発的に何かを思いつく
「変人」というイメージから解放して、様々な工夫をやりとげた
「上達の達人」として定義し直しています。。
そのことによって、天才は私達が学ぶべきものの宝庫なります。
ということで、「変人がいかに変人だったか」ということを記す本ではない。
いかに天才になりえたか、という「上達論」である。
イチローの話が面白い。
■ゴールデンエイジの重要性
イチローのバッティングセンターでの膨大な時間と言うものは
バッティングに対する感覚の膨大な蓄積となり、
そこで得たものをかれは今も使っているわけです。
ましてやそれをゴールデンエイジの時期にほぼ毎日やっています。
ゴールデンエイジとは、小学校四年生くらいから中学校の最初くらい
までの年代のことで、スポーツでは非常に重要な時期とされています。
高校や大学から何かのスポーツを始めた人でも、
運動能力があれば、かなり通用するレベルまではいくことができます。
しかし、繊細なボールタッチのような感覚や技は
なかなか大きくなってからだと身につけるのは難しいものです。
イチローの場合、そのゴールデンエイジの年代に
自分の感覚をつかむために練習をたくさんしたということです。
ゴールデンエイジなんて言葉は知らなかったな。
自分はその頃何をやっていただろう。
「自分の感覚を磨く」なんてことは全く考えずに
野球やサッカー、水泳をやっていたと思う。
闇雲にやっていただけである程度体力はついたが(笑)。
「身体感覚」や「上達のコツ」を意識しながらこのゴールデンエイジを
過ごせたらならば、今の自分はどれだけ変わっていただろう、と思う。
その悔しさ、切なさを娘には味あわせないようにしたい。