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23話 沢北の逆襲



秋田ベンチ。

堂本の指示が飛ぶ。
「マークを変えるぞ。河田は仙道につけ。野辺が8番(花形)だ。
深津と沢北は落ち着いてゾーンを突破しろ。できるはずだ」

深津がうなずく。
「大丈夫です。さっきはちょっと慌ててしまいました」

堂本が笑う。
「お前を慌てさせるとは、たいしたチームだな。とりあえず落ち着くことだ。
お前らなら、あのプレスは突破できる。落ち着こう」




「はい!!!」




神奈川ベンチ。

高頭の指示。
「プレスが破られるのは時間の問題だ。山王がプレスの破り方を
知らないわけがない。奇襲は成功した。だが、ただそれだけだぞ」

牧が続く。
「とりあえず、破られるまではプレスを続けよう。
当たっているパターンを無理に崩す必要はない。
ただし一度破られたらすぐに切り替えるぞ。次からはマンツーだ」



両軍のメンバーがコートに戻る。


山王ボール。そして、神奈川のオールコートプレスで試合再開だ。

深津がボールを持つ。今度は慌てない。
ダブルチームを相手に冷静にボールをキープしている。

牧と仙道のバランスが崩れた一瞬を狙ってパスを出した。

ボールは松本に通った。

深津が捨て台詞。
「守備が甘い。付け焼刃のダブルチームは通用しないピョン」


「なるほどな…」 牧、仙道、苦笑い。


松本、沢北と渡り、ボールがフロントコートへ。

「おおおお!いきなり突破した!!」

「さすがは山王!!フグは自分の毒では死なない!!」



ベンチで高頭、扇子。
「時間の問題だとは分かっていたが、いきなり来たか…」


神奈川がのディフェンスがマンツーマンに切り替わる。

深津に牧、松本に清田、沢北に流川、野辺に仙道、河田に花形だ。


沢北と流川の1ON1。


沢北のドライブ! 流川抜かれる。

神奈川のヘルプが来る前にジャンプショット。


ザシュ!!


「おおおーーーー!!返した!」

「山王、初得点だ!!」


観客席で、桜木はニヤニヤ。
「フン、ルカワめ。小坊主にあっさり抜かれやがって。
全然成長してねえ見たいだな」


そして、山王の逆襲が始まる。

伝家の宝刀を抜いてきた!


「さあーーーー!!!来た来た来たあああ!!!」

「今度は山王のオールコートプレスだあああ!!!」

「やってやれ!!本家のプレスを見せてやれ!!」


ボールは牧へ。

深津と沢北のダブルチームが襲う。



しかし、牧は動じない。

花形のカウンターの動きを引き出し、仙道と共に冷静に対処。
ゾーンプレスを打ち破る。

「おおーーー!突破した」

「やるぜ!!神奈川」


今度は牧が深津に捨て台詞。
「俺たちは山王に勝つために練習してきたからな。
ゾーンプレスの突破はみっちりやってきたんだ。
来ると分かってるモンには、やられねえよ」


深津、無表情。
「なかなかやるピョン」


仙道が3ポイントラインの外でボールを持つ。

マークは河田。
「来い、仙道」


その時、牧がインサイドにポジションを取った。
河田が仙道のマークのために外につり出されたスペースをついたのだ。


牧にボールを渡る。

再びパワー勝負。深津がジリジリとゴール下に押し込まれる


「インサイドの勝負では牧か?」

牧のシュート。


バシィ!!


後ろから沢北のブロックだ。


「なんだと?」 牧、驚愕。


山王の速攻。

松本。深津とつなぎ再び沢北へ。


戻っていたのは清田。
「オレを抜けるモンなら抜いてみろ!!」


ブロックに飛ぶ清田。


しかし、沢北必殺のスクープショットでブロックを破る。


ザシュ!!



神奈川 7
秋田   4


「おおーーー!!沢北連続得点!!」

「山王、反撃開始だあああ!!」


観客席の桜木、腕組み。
「ヘナチョコシュートか…。野猿が止めるのは無理だな、ハッキリ言って」


しかし、

この沢北の連続得点が、神奈川の15番に火をつけることになる。




続く




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