神奈川は準々決勝へコマを進めた。
いよいよここからは8強の争いである。

ベスト8に進んだチームは下記の通り。


愛知 (名朋工業、愛和学院 etc.)

沖縄 (那覇水産 etc.)

福井 (堀 etc.)

京都 (洛安 etc.)

福岡 (博多商大附属 etc.)

千葉 (浦安商業 etc.)

神奈川(海南、湘北、陵南、翔陽)

秋田 (ALL山王工業)



決勝戦は愛知と秋田の対決になるというのが、大方の予想だったが
大会が進むにつれ「神奈川にチャンスあり」との意見が増えていた。



さて、おなじみのトーナメント表の前。


神奈川のメンバーがベスト8進出チームを確認している。


牧が藤真に話しかける。
「ここまでは予想通りだな。愛知は全ゲーム40点差以上を付けて
勝ち上がっているらしい」

藤真が答える。
「秋田も同じような感じだ。順当に行けば、秋田の次は福岡、
決勝が愛知、だろうな」




「牧、また会ったな」



振り向く牧。愛知の諸星だった。
「大阪相手に20点差とは恐れ入ったぜ。このまま秋田も倒しそうな
勢いだな、神奈川は」

牧が答える。
「フッ、ウチの倍の点差で勝ってるチームに言われたくないぜ」



そこに赤木と魚住が来た。


魚住が激励する。
「いい試合だったな。観てたぞ3回戦」

仙道が答える。
「魚住さん。まだまだこれからですよ」

魚住が言う。
「オウ、その通りだ。期待してるぞ、仙道。
全国の舞台だからな。お前の力を見せてやれ」



さらに山王工業のメンバーも現れた。


河田が赤木を見つけた
「あ、赤木じゃないか。なんだいたのか? 今日は見なかったが」

赤木が振り向く。
「オレは観に来ただけだ。メンバーには入ってない。引退したんだ」

河田が聞く。
「なんだ、そうだったのか。次にお前と戦うのは大学になるのか?
そういやアイツはどうなんだ。桜木は。ケガの状況はどうなんだ」

赤木が答える。
「まだリハビリ中だ。この国体には間に合わなかったらしい」

深津が入る。
「残念ピョン。湘北のフルメンバーを倒したかったのに」

赤木がニヤッと笑う。
「フッ。神奈川選抜をなめるなよ。湘北を凌ぐ強さかもしれんぞ?」

河田がうなずく。
「そりゃそうだろ。全国2位の海南が加わるんだから、湘北より強かろう」

赤木がムッとする。
「グ…、そんなあっさり言われると…」



そこに諸星が来た。


深津に話しかける。
「深津、神奈川を倒したとしても、優勝はないぜ。愛知がいるからな」

深津が答える。
「大丈夫ピョン。ウチのエースがお前を倒すから」

沢北が入ってきた。
「諸星さん、そういうことです。優勝はもらいます」

諸星が言う。
「そうか。でもウチの1年には気をつけろよ。河田といえども
一筋縄ではいかないはずだぜ」

河田が答える。
「知ってるよ。名朋の森重だろ。早く勝負したいと思ってたんだ。
今から決勝が待ち遠しいぜ」



赤木が突っ込む。
「オイ、神奈川を忘れんなよ…」




沢北が流川を見つけた。
「よう、全日本ジュニアの合宿以来だな」

流川は無表情。
「てめえ、アメリカじゃなかったのかよ」

沢北、笑う。
「お前を倒すために残ったんだ。明日の試合、覚悟しとけよ」

流川はやっぱり無表情。
「フン。俺が勝つ」



彦一が仙道にヒソヒソ。
「仙道さん、アイツが山王のエースの沢北です」

仙道がニコッと笑う。
「知ってるよ。中学のとき、対戦したことがあるから」

彦一、仰天。
「なんですって!? 沢北と仙道さんの対戦!!要チェックやないですか?
その時はどっちが勝ったんですか?」

仙道、ニコ。
「もう忘れたよ。でも…、明日は勝つよ」

彦一、涙。
「仙道さん…。頑張ってください!!」




神奈川の宿舎。

高頭が牧と藤真を呼んだ。
「明日のスタメンとマッチアップを決めたいんだ。
お前らの意見も聞きたい。ちょっと来てくれ。」


高頭、牧、藤真の3人が、作戦ボードを囲んで座る。


今日は見事な作戦で、大阪を葬った神奈川。

明日の秋田戦には、どんなスタメンが用意されるのか?

そして、どのような策略が用いられるのか



打倒・秋田…。ここから2時間を越える会議に入ることになる。




続く