神奈川と大阪の戦い、マッチアップは以下の通り。


神奈川            大阪

藤真(翔陽/178cm) × 土川(大栄/181cm)
仙道(陵南/190cm) × 土屋(大栄/188cm)
流川(湘北/187cm) × 南  (豊玉/184cm)
福田(陵南/188cm) × 岸本(豊玉/188cm)
高砂(海南/191cm) × 土橋(大栄/191cm)


※大栄学園の土川(ツチカワ)、土橋(ツチハシ)は原作に登場しない架空の選手。
覚えづらいと困るので、大栄の選手は全部「土」で始まる名前にしました


キーマンとして注意していた土屋には、仙道がつくことになった。
流川と南はインターハイ以来のマッチアップだ。
どこのポジションもほとんど身長は変わらない。ミスマッチのない対決だ。



●国体3回戦 神奈川VS大阪


センタージャンプ。

センターサークル内で高砂と土橋が向かい合う。
サークルを囲うように残りの8人が並んでいる。

南が流川に話し掛ける。
「久しぶりやな、流川。インターハイ見とったで。山王戦はええ試合やった。
お前の言う“日本一の選手”に近づいたんちゃうか?」

流川は無視。
「フン。すぐなってやるよ」


ティップオフ。

ジャンプボールは土橋が制した。大阪ボールからスタート。


ボールを取ったのは岸本。
「おっしゃあ、行くでえ!」


バシ!


「なんやと?」



「うわああ!5番(藤真)、スティールだあ!」

「昨日も取ってたぞ!あいつすげえ!!」



藤真、電光石火のスティール。後ろからはたいたのだ。
「オラ!走れえ!」

藤真らしからぬ口調で指示が出す。選手に徹する藤真はクールとは程遠いのだ。


大阪陣内に突っ込む藤真。

誰にパスを出す? 仙道か? 流川か?



誰にも出さなかった。



「もらったあああああ!!!」
3ポイントライン前で急ストップ。いきなりシュートを放った


ザシュ!


「おおーーーー!!いきなりスリーポイントだ!!」

「神奈川、先制!!!」 「速い!!」



牧がベンチで苦笑している。
「えらい変わりようだぜ。だが、あれが本来の藤真だ」

花形がうなずく。
「そういうことだ。元々得点力はあるからな。暴れ出すと止まらないぜ」



「ウラアアァ、返すぞ!!」
大阪の攻撃が始まった。

南が切れ込む。しかし、流川が行かせない。

南から土川へ。そして土屋へ。 土屋と仙道の1ON1。



ベンチで興奮する彦一。
「おお!!ウチの天才仙道さんと、大阪のエース土屋の対決!
これは要チェックやで!!」


土屋がカットイン。仙道はまだ付いている。

土屋はノールックでパスを出した。

その先には岸本。 ディフェンスが苦手な福田は、完全に振り切られている。
岸本、レイアップを沈める。


「よーーっしゃあああ!!!!ええぞ岸本!!」

「ガンガン行ったれええーー!!!」




「走れ!!」
神奈川の攻撃。大阪が守備の隊形を整える前に攻める作戦だ。
藤真がすぐに仙道に渡す。

仙道から前を走る流川へ。

流川、南を一瞬で抜き去り、インサイドへ。 大阪のディフェンスが流川を囲う。
流川は外へパスを出した。

今の流川にはパスがある。インターハイの山王戦を経て。


「よーーし!ナイスパス!」
外で待つのは藤真。

2本目のスリーを放った。



ザシュ!!



「おおーーー!2本連続!!」

「5番来たーー!!!」



南が藤真を見ている。
「あいつ、どこかで…」



大阪の攻撃。

岸本がパスを要求する。
「おらああ!土屋!こっち貸せ!!」

「フッ」っと笑って、土屋はセンターの土橋にパスを出した。


土橋から外の南へ。南から岸本へ。

「最初から俺に回さんかい!!! 楽勝や!!」

福田、またもや抜かれた。


ゴール下へ切れ込む岸本。そしてレイアップ。




そこへ仙道が飛んできた。ブロックショット!!!


「おおーーー!仙道!!ブロックだあ!!」

「ナイスヘルプだ!12番(仙道)!!」

彦一も絶叫。
「ハーッハッハ!見たか岸本!これが仙道さんや!!」


神奈川のカウンター。

仙道から藤真へ。藤真、ドリブルで持ち込む。



「3本目ぇえ!!」

藤真がまたもやスリーポイントの構え。

慌ててチェックに走る土川。

しかし、それを見透かしたように、藤真はフェイクからパス。



走りこむのは仙道。


「来た!!仙道だああ!!」

「行けーーー!!仙道!!!」



仙道、ディフェンスをひきつけてからパス。

受け取った福田、ノーマークでダンク!!



「うおおーーーーーー!ダンクだーー!!」

「13番(福田)!!」

「神奈川すげええ!!点の取り合いで大阪に勝ってるぜ!!!」


大阪の反撃。

しかし、またもや藤真がスティール!!


3ポイントライン付近の流川へ。

「流川だ!!」 「すげえドライブが来るぞ!!」



流川、その「すげえドライブ」で南を抜く!!


南、呆然。
「あかん…。コイツ、ますますウマくなっとる」


土橋がヘルプに来た。 つまりは、高砂のマークが外れたということ。

流川、それを確認して高砂へパス。


「アマいわああ!!」
岸本がブロックに飛んだ。


高砂はフェイクを入れ、シュートのタイミングを一瞬ずらした。


「なにぃ!?」
空中でバランスを失う岸本。


高砂は、岸本のブロックにわざと体をぶつけてからシュートを打った。


ザシュ!


ピーーーーーーーーー!!

「ファウル!!青(大阪)、8番(岸本)!!
バスケットカウント・ワンスローーーー!!」



「おおおーーーーーー!!エンドワンだ!!」

「3点プレイだ!今の上手かったぞ6番(高砂)!!!」

「ナイスフェイクだぜ!!6番!!」

「神奈川、どっからでも点取ってくるなあ」



岸本、悔しそう。
「このセンター…、上手いことやりおる。完全に故意にぶつけてきた…」



その時、ブザーが鳴った。

「タイムアウト!!大阪!!」

大阪のタイムアウトだ。神奈川に傾いている流れを、止めようというタイムだ。


両陣営がベンチに戻る。





「俺がなんとかするしかないな…」
土屋の目が光っていた。



続く