試合開始。

センタージャンプは花形が制し、神奈川ボールでスタート。


観客席で赤木と魚住が並んで観ている。

赤木が言う。「センタージャンプは花形がとったか」

魚住が言う。「花形にジャンプボールで勝てる奴なんぞ、そうそういないだろ」

赤木が言う。「まあ、いるとしたら…」

二人同時に 「俺くらいだ」


「ム?」 にらみ合う二人。

そこへ大歓声が響き、二人は慌ててコートに目をやる。


「15番!流川だ!1ON1来るか?」

しかし、流川は一度牧へボールを戻す。

ボールは牧から仙道へ。


仙道、カットイン! ディフェンスをあっさり抜く。

「おおお!12番速ええええ!」

ヘルプに来た相手センターを尻目にノールックパス。
フリーでボールを受けた花形が楽々ゴール。神奈川が先制。


「うまい!12番!!今のノールックだぜ!」

「カットインもメチャクチャ速かったぞ!」

「さすが海南のメンバーを押しのけて、スタメン入りしただけのことはあるぜ」


三井が清田を見て笑う。
「プププ。押しのけられたのか?」

清田、言い返す
「んだよ!自分だって3年のくせにベンチじゃねえか!」

「なに?」 「なんだよ」 あわや、つかみ合いかという2人。


そこへ牧の声が響く! 

「よーし!ナイスカットだ仙道!」


仙道が佐賀のボールをスティールしたのだ。

そして仙道、つぶやく。



「さあ、行こーか」



神奈川のカウンター。仙道がドリブルで佐賀陣内に突っ込む。

ディフェンスは2人。しかし仙道は構わず突っ込む。


「ああ!あいつ1対2でも行く気だぞ!」


佐賀のディフェンスが2人飛んだ!

仙道、空中で2人をかわすダブルクラッチ。


「うわあああ!!ダブルクラーーーッチ!!」

「お見事12番!」

「あの12番、なんかすごそうだぞ。タダモンじゃねえ!」



佐賀の攻撃、仙道がシュートをブロック。

「また12番!仙道だ!今度はブロックだぞ!」

そして、前線を走る流川へ、アメフトのタッチダウンさながらの
超ロングパスを通した。 フリーの流川、ダンクを決める。


「流川!」

「来たぞ!流川が!いきなりダンクだ!」

「12番仙道のパスも凄かったぞ!」



仙道が流川に話し掛ける。
「いいところに走ってたな。さすがだぜ」

流川、ひと言
「フン、たりめーだ」

ベンチで彦一が泣いている。
「仙道さん…、なんでそんなパスができるんや…。ホンマの天才や…」



佐賀の攻撃、今度は牧のスティール。

牧から仙道へ。そして仙道から神へ。


観客が騒ぎ出す。

「神だ!スリーあるぞ!」

「打てえ!神!お前ならどっから打っても入るだろ!!」



しかし、神は観客の期待に応えなかった。ゴール下へパスを出す。

走りこむのは仙道。


「おおお!また仙道だ!」

佐賀ディフェンス陣、懸命に守ろうとするが、あっさり抜かれる。

そして仙道のダンク!


「うわああああ!仙道ダンク来たーーーー!」

「なんなんだアイツは!」

「すげえ!!すげえぞ!!仙道!」


会場は仙道一色となった。



佐賀、たまらずタイムアウトを取る。

両チーム、ベンチへ。



神奈川ベンチで彦一が騒いでいる。

「仙道さん!すごいプレーでした。最高です!」


牧は、苦笑いで仙道をたたえる。

「まったく派手な奴だ。冬の選抜で敵になると思うとゾッとするぜ」


三井、宮城、清田は完全にスネている。

「けっ。ちょっと調子が良すぎなんじゃねえのか?」
「俺だってあのくらいできるぜ」


高頭が指示を出す。

「ふふふふふ。このままの調子で行けば問題なかろう。
メンバーもドンドン代えるからアップしておくように」


「なぬ?」 三井、宮城、清田、急に元気になる。



タイムアウトが明け、両チームがコートへ。

神奈川の怒涛の攻撃はまだまだ続くのであった。


続く