秋の国体に向けての神奈川選抜12人


背番号、名前、所属校、身長、ポジション


④牧    (海南3年/184cm/G)
⑤藤真  (翔陽3年/178cm/G)
⑥高砂  (海南3年/191cm/C)
⑦三井  (湘北3年/184cm/G)
⑧花形  (翔陽3年/197cm/C)
⑨長谷川 (翔陽3年/190cm/F)
⑩神    (海南2年/189cm/F)
⑪宮城  (湘北2年/168cm/G)
⑫仙道  (陵南2年/190cm/F)
⑬福田  (陵南2年/188cm/F)
⑭清田  (海南1年/178cm/F)
⑮流川  (湘北1年/187cm/F)

監督:海南の高頭  マネージャー:相田彦一


スタメン:PG…牧、SG…仙道、SF…神、PF…流川、C…花形




●国体1回戦 神奈川VS佐賀


神奈川が登場すると、軽く会場がざわめき始める。
全国2位の海南の登場だからだ。

「お、神奈川だ。インターハイ2位の海南だぞ!」
「牧だ!」「神だ!」
「魅せてくれよー!期待してるぞー!」


しかし、会場はもう1人の男にも注目していた。


「あああ!あの15番。山王戦ですごかった奴じゃないか?」

「そうだ。沢北と互角の戦いをした奴だ。
湘北のルカワだ。あいつも神奈川だったのか!」

「うわあああ!海南のメンバーにルカワが加わるのかあ!?
神奈川強えええ!こりゃ見ものだぜ」


そして、スターティングメンバーを見て、さらにどよめきが起きる。

「ちょっと待て。海南の選手が2人しか入ってないぞ」
「ホントだ。牧と神だけだ!」

「あの8番(花形)と12番(仙道)は、そんなにすげえ奴なのか?」
「どっちもデケエな。海南は小柄だから、高さ対策か?」


観客席で、洋平や晴子が笑っている。

「みんな、センドーのこと知らねえんだよな」
「仙道さん。みんなをビックリさせちゃうかもね」
「でも、ここに花道が入ったチームを見たかったよなぁ」
「ホントね。でも来年はそうなるわよ」


彦一はベンチで涙を浮かべている。

「仙道さん…、ついに全国の舞台や。今日はバスケ界が震撼する日やで」


三井、宮城、清田は不服そう。


三井は頑張って笑っている。
「フ。神は一応海南だからな。監督が使いたいだけだろ。
土壇場で俺の出番が来るのは間違いないぜ」


宮城はふて腐れている。
「ケッ。誰が神奈川ナンバーワン・ガードか分かってんのかよ」

清田は今にも噴火しそう。
「ルルルル、ルカワめ。全日本ジュニアに選ばれたからって
調子に乗りやがって。ミスりやがれ!」


藤真だけ笑っていた。
「花形。頼んだぞ」


高頭監督がスタメンを集めた。扇子で扇ぎながら微笑んでいる。
その表情は余裕に満ち溢れている。
そして指示とはいえない指示を出す。

「牧、ゲームメイクは任せたぞ。流川と仙道は好きなようにやれ。
特に作戦はない。自分たちの力を見せて来い」


牧が、仙道と流川のほうを見て笑う。

「お前ら、どっちがたくさん点獲るんだろうな」


仙道は苦笑い。「まいったな」

流川は無表情。「フン」





ピーーーーーーーーーーーー!

「両チーム、センターサークルへ!」



両チームが向かい合った。


いよいよ、神奈川選抜の試合が始まる。


1分後、神奈川12番、仙道彰の劇場が開幕することとなる。


続く