昨日のテレビ番組でマルサン商会製ソフビのナメゴンが登場していた。評価額は何と70万円の高値をつけ、人気の高さを改めて知った。あのナメゴンはウルトラQに登場したナメクジ姿の火星怪獣であるが、さすがに当時放映分をライブでは観ていない。ちなみにウルトラQの第三話「宇宙からの贈り物」に登場する。ナメクジ自体は大嫌いであるが、あのソフビになったナメゴンは愛嬌があって蒐集欲をそそるのだ。さすがに初期に製造されたようなものは手元にないけれど、手軽に集められるものは気が向くと購入し、一つ、また一つと増殖してきた。テレビで観た高額ナメゴンに感嘆しつつ風呂に入った。冬場の風呂は格別だ。調子はずれの鼻歌でも鳴らしたい気分にもなる。顔をグシグシ洗って、ふと目線を上げて側面のタイルを見ると、何やら髪の毛のように細長い白茶けた塵がついている。何の塵であろうかと取り除く前に、しかと確認するため悪い目を近づけて観てみれば、なんとグニュグニュ動き出すではないか。あれっーと、叫びはせぬが心中で大騒ぎをし、観ちゃいけぬと思いつつもなお観察をつづけると、触覚のようなものが二つばかり飛び出しているのがはっきりとわかった。うぬぬとみつめれば、殺気を感じたのか謎の物体は上へ上と逃げていく。こんなところにもナメゴン登場というオチに少々憂鬱になりながらも、これは夢なのだと勝手に決めて、浴槽に深く顔を沈み込ませた。




ナメゴン軍団の一部