ホットケーキ奉行。 | 兄は心の病気~自閉症の兄~

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たまに更新しています。

今日はお昼にホットケーキを家族で食べました。

箱に載ってるようにはならないけど

ふわっと膨れたホットケーキ。


息子たちが喜んで焼いてくれました。


ホットケーキを焼くといつも思い出すのが

お兄ちゃんのこと。


私が小学校、中学校くらいの時、

うちは、土曜日のお昼はホットケーキ

が多かったのですが、

お兄ちゃんはホットプレートを出してきて

コンセントをいれ、ホットプレートの

鉄板の部分に手をかざし充分熱が通ってるか

確かめる。

油を薄くひく。

その間に

母かホットケーキミックスをまぜ、

「はい」とお兄ちゃんに渡すと

『ホットケーキやきま~す!』

とおたまでタネをすくって焼く。


焼くんだけど、ふわっとしたタイプのホットケーキではなく

これでもかっ!ってくらい薄くお玉で押し付ける。

表面がプツプツしてくると

今度はへらで上手にくるっ!っとひっくり返す。

ひっくり返した後はへらで

やっぱりこれでもかっ!ってくらい

ジューっと押し付ける。膨れるのを

阻止するかのように押し付ける。


焼けると自分のお皿へ2枚。

そのあと私たちにも焼いてくれる。

家族の分を焼いてる間に

マーガリンをボコッと乗せてメープルシロップを

さーっとかけ、「うまい!」と言いながら

ほおばる。

すごく幸せな顔をして食べる。


焼けると私たちのお皿へのせてくれる。


その後またお兄ちゃんは自分用に焼く。

また2枚。


2枚重ねないと『ホットケーキ完成』

ではないらしい。


今日作って思いました。

あの時はふんわりふっくらしたホットケーキが食べたかった。

でも、お兄ちゃんは私が焼くのを嫌がった。

まるで鍋奉行ならぬホットケーキ奉行。


だから平べったいホットケーキ。

ぺっちゃんこ。

パンケーキのよう。


結婚して自分で焼くようになって

やっとふわっとふっくらしたホットケーキが食べれるようになった。

私の願いはかなった。

おいしいんだけど

でもなんだか違う、私の知っているホットケーキじゃない。

母は確か牛乳の量を箱に書いてあるよりも

多くしていたような気がする。

私が作るタネよりもサラサラしてた。

確かめて作ってみる。でもやっぱり違う。


何回やっても違う。

きっとあのおたまでクルクル薄くする

タイミングが違うんだろうな。

へらで押し付けるちょっとしたコツが違うんだろうなぁ

なんて思います。


きっと私の中のホットケーキは

「お袋の味」ならぬ『お兄ちゃんの味』


今度遊びに行った時、

お兄ちゃんに言ってみよう

「ホットケーキ焼いて!」って。