1月16日

千葉ルックでドイツオレンジの結成10周年イベント。
きた人はわかると思うが、彼らにとって大きな転機の日になった。

彼らの運命が変わる瞬間に、たまたま居合わせた私は
彼の足りない言葉も、歌の強さも
へなちょこ具合も、歌詞にこめられた意味も
全部を受け止めた気になっている。
ステージにあがった瞬間の、五島くんの表情が忘れられない。
真剣ってああいう表情のことだと思う。

ここより下は、ない。
現実って、シビアだ。
でも、自分はどうしたいの?
どうしたらいちばん楽しいと思う?
どうしたらいちばん伝わると思う?

彼らの選んだ道はきっと
一般にはシビアで
不器用だなぁ、そういう人もいると思う。

しのくんの言葉には嘘がない。
だからこそ、状況抜きに
やっぱりこの3人じゃなきゃダメだってことが
現実よりもこの先の苦労よりも、明白だった。
この3人でバンドがやりたい、って思い。諦め。
天秤にすらかけられないそのわっかりやすい事実のもとに
100%の彼らは、これから
彼らの音楽を
彼らの思いを
届けていくでしょう。

楽しみだなぁ。
そして私も、負けてらんないな。

しのくんが以前、ブログで
「ゆきちゃんが音を言葉にしに帰ってきた」
と書いてくれた。
そうか、私は、音を言葉にしていたのか、と
なんだかとんでもない事実を教えてもらったようで、心臓がバクバクした。
音を言葉にするという作業を、私は意識したことがなかった。

この日、ほんの少しわかった気がする。
音は、私の中からも流れて、漂う。
私は捕まえ、咀嚼し、放つ。
ときには地面に急降下し、ときには遠くまで漂い続ける。
私じゃないものでも、
これは、
と思ったものはすばやく捕まえ、咀嚼し、そっと帰す。
たまーにそれが、もっとすごいものになる
(逆もあるけれども)。
出会う。タイミングと合わさる刹那。探している。
そして言葉はまた音になる。
私はそうやって、音と付き合っている。

ライブ後、寒さに耐えられず、
佐藤さんとふたりでひと足先に飲みに行き、
あとで打ち上げに合流した。
40人ぐらいいたんじゃなかろうか。
こんなにたくさんの人がいる打ち上げが久しぶりで
なんだか嬉しかった。

始まりは
きっと
こんなもんなんだ。