今朝、砂の中にいました。

砂漠に降る雨はどこか不釣り合いで、
でも、とても、正しい気がしました。

人のあしあとは
点々とただひとつであれば
美しいのに
無造作につけられた大量のあしあとは
増えれば増えるほど、
ひどく、悲しいものに思えました。

それでも、
すごい! きてよかったなと思うのは、
やはり人間のエゴでしょうか。

自然。バランス。エゴ。緑。人工。
雨。太陽。紅葉。雲。空。
魚。ラクダ。馬。海。みかん。

湖。

海鳥。

ふと、昔付き合っていた人との
楽しかったできごとを思い出しました。
あれやこれやあれ。
ずっと、楽しくなかったできごとしか
思い出さなかったのに。

元気かな。

お別れしてから初めて、
笑って会える、と思いました。

私が立つべき位置を考えます。
難しい問題です。

藤野のことを思い出します。
帰る場所があるから、旅に出られるのです。

長い道程、
たくさんの山道を通りました。
そのたびに、ふと思い出し続けたのは
藤野の山並みでした(それは恋にも似ている)。

山が近くて、まるで、
山に守られている感じがして好きなのだ、と
気づきました。

訪れる場所、佇む場所、帰る場所、
立つ位置、進む先、人の姿。


私ひとりであれば、
行きたい行きたいとは思いつつも
行かなかったであろう、砂の丘。

行く理由も、行かない理由も特になく、
なんとなく行かなかったであろう、場所。

どこにあるべきか、はっきりとわかる。

誘ってくれた友だちに感謝。