『会社の目的は何だと思いますか?』
『利益の最大化、株主価値の最大化だと思います。』
新卒の面接をしていますが、半分以上の学生はこのように答えていると思います。
経済学的に言えばこの答えで間違いないです。
日本でもバブル崩壊後はこのような考え方が栄えていたような気がします。
その結果、キャッシュフロー経営、株主価値の最大化、成果主義など
欧米型の経営スタイルの導入が進みました。
しかし、ドラッカーが言うように会社の目的は必ずしも利益ではないと私は思っています。
会社の目的はあくまで社会への価値の提供であり、
価値を提供する中で、組織を成長させ、社員を物心両面で豊かにすることにあると思っています。
利益は社会への貢献の尺度(メジャー)であり、目的ではありません。
ここを混同していはいけない。そうでないと一時期のITバブルのようにお金さえ稼げば何をやっても良いということになってしまい、社会的価値を持たない組織を生んでしまいます。
もちろん利益がなければ会社はビジネスを継続することはできません。これが難しいところですが、社会へ貢献し、社員の人間的成長をさせるためには、土台としての利益がなければいけません。しかし、これはあくまで手段であって、決して目的ではないのです。
今回とりあげる横田英毅さんはトヨタ全社の中でお客様満足度12年連続No.1を達成しました。
横田英毅さんは、会社の目的を以下のようにとらえています。
目的 =
目的 = 「全社員を(人生の)勝利者にすること」
自動車ディーラーだから販売台数は増やしたい。
でもただ闇雲に量を増やすのではなく、回り道の様でも、まずは質を高めること。
質が高まれば結果として量はついてくる。トヨタという、そもそも質の高い製品を扱うのだから、それを扱う人の質を高めることが、成果につながっていく筈。
そのためには、社員の満足度を高め、自社で働くことに喜びを感じてもらうようにならなければならない。そんな思いを集約したのが、「全社員を(人生の)勝利者にすること」になるのでしょう。
横田氏は勝利者とは、個々の可能性を自身の人生において最大限に発揮できた者としています。
人が生涯の中で最も長い時間を費やす仕事の場で、それを実現すること。やりがいを持って日々取り組む事が、社員にとっても会社とっても幸せな結果をもたらすことにつながっていく。
そんなことなのかもしれません。
とにかくそれが徹底しています。
飛び込み営業はしない、カーディーラーでこんな会社ありますでしょうか?
すべては、目的である、全社員を勝利者にすることを達成するために一貫性のとれた経営であるからこそ、社員が誇りを持ち良いサービスを提供する、顧客は満足する、良い循環ができているのでしょう。
今一度、会社の目的は何なのか?
目的にあった経営ができているのか?
もう一度問いかけてみてはいかがでしょうか。
<こんな方にはおすすめです>
・従業員のモチベーション管理に悩まれている経営者の方
・組織の変革をしたいと思っているけど方法論が見つからない方
・ノルマに追われ、なぜ利益をあげなければいけないのかについて悩んでいる方
会社の目的は利益じゃない 誰もやらない「いちばん大切なことを大切にする経営」とは