「オーケストラ!」を見ました。
珍しく前情報無しで観たのですが、何となく「オーケストラがどう上手くなっていくかの話かなぁ…」ぐらいに思っていました。
【作品情報】
かつてボリショイ交響楽団の天才指揮者だったアンドレは、今はさえない劇場清掃員として働いている。ある日パリのシャトレ劇場から、出演できなくなった楽団の代わりの出演依頼FAXを偶然目にした彼に、とんでもないアイデアが閃いた。クビになったかつての楽団仲間を集めて偽のオーケストラを結成し、ボリショイ交響楽団代表としてパリに乗り込もうというのだ。早速元チェロ奏者のグロスマンに話を持ちかける……。
ロシア・ボリショイ交響楽団で劇場清掃員として働くさえない中年男が、急遽出演できなくなった楽団の代わりに、昔の楽団仲間を集めてパリ公演を成功させようとする姿を描く人間ドラマ。このとんでもない計画の真の目的が判明した時、あたたかい感動が押し寄せる。脚本も手がけたラデュ・ミヘイレアニュ監督(『約束の旅路』)のもと、ポーランド生まれのロシアの名優アレクセイ・グシュコブ、『イングロリアス・バスターズ』のメラニー・ロラン、『トランスポーター』シリーズのフランソワ・ベルレアンらの名演が冴えわたる。また、本作のもう一つの主役はクラシック音楽だ。チャイコフスキー、モーツァルトなどの名曲が贅沢に使われているところにも注目してほしい。
この作品はフランス映画祭にも出品され、とても評判のよかった映画です。
人間ドラマが素晴らしく描かれていて、三十年前のドイツの姿が描かれ、当時の混乱ぶりや、人々の思いが伝わります。
人間ドラマは確かに素晴らしいと思いました。
ただし、音楽をやっていた者の視点から見ると、もう有り得ない事の連続。
三十年ぶりにトランペットを吹くおじいさん。
吹き真似でもいいけど、音とピストンの動きが合わなすぎ。
リハーサルもゲネプロもなして、正真正銘の一発本番での演奏。まぁ、この時点で既にありえないんだけど、演奏初めでピッチがズレズレだったのに、ものの数小節で急にピッチが合う。
ツッコミどころがありすぎて、疲れてしまいました。
個人的には演奏に対しての演技を、もう少し細やかにして欲しかったという事と、オーケストラの難しさを、もっと折り込んで欲しかった。
大人数で行うオーケストラは、そんなに簡単な事ではありませんから。