ぱくっ(23) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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茶室考(7)


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琳派を代表する江戸時代の画家・尾形光琳は、晩年の約5年間を京都の光琳屋敷で過ごし、国宝「紅白梅図屏風」もその屋敷内で描かれたと考えられています。MOA美術館では、昭和60年に開館3周年記念事業として光琳屋敷を復元しました。尾形光琳自筆の図面と、大工の仕様帖、茶室起し図(いずれも重要文化財)などに基づき、数寄屋建築研究の権威、堀口捨己博士の監修によるものです。


その尾形光琳も「如庵」の写しを造っている・・・という。


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■現存する京都・仁和寺「遼廓亭」

仁和寺・霊明殿西側に立地する建物で、江戸時代建築の重要文化財建造物。二畳半台目の茶室と広間・水屋等からなる草庵風と書院式を加味した茶席。その露地庭は築山に小池をうがち、飛び石と延段を配した書院式茶庭である。

遼廓亭は、もとから仁和寺にあったものではなく、門前の何似(かじ)宅(もと尾形乾山の住居)にあった「習静堂」から、江戸末期に移されたもので、兄の光琳が作ったものといわれています。杮葺の数奇屋造で、やや屈折した平面の東南隅に突出して茶室が作られています。内部は二畳半台目の茶室、四畳半の水屋と広間、控えの間・勝手の間で構成され、葺下し屋根の下に袖壁を付け、その中に躙口を開きます。また、壁は黒に近い錆壁や長いすさが散らされる所など、全体の意匠は織田有楽斎好みの「如庵」とも似ています。2畳半台目で、向切、如庵写しで、遼廓亭とは限りなく広くという意味です。

四方正面の建物になっていて、さび壁(鉄さび)のわらが人々にいろいろ想像をかきたてます。突き上げ窓が あり、あかりとり、換気、夜には月が見えるという効果があります。ふすまの手も光琳好みで縦長になっており、障子が石畳風に貼られています。4畳半2間を天井の高さを変えてずらしており、水屋との間の はめこみ障子を入れて水屋を隠すことで2間続きでも使えるように工夫されています。如庵と同じ特徴として、まず、袖壁があり、暗さに目をならし、雨風を防ぐ役目があります。下地窓は如庵は丸ですが、当席では四角になっています。また、鱗板があり、茶道口と給仕口が1つになっています。 そして有楽囲があります。


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■尾形乾山(おがたけんざん、 寛文3年(1663年) - 寛保3年6月2日(1743年7月22日)は、江戸時代の陶工、絵師。名は惟充。通称は権平、新三郎。号は深省、乾山、霊海、扶陸・逃禅、紫翠、尚古斎、陶隠、京兆逸民、華洛散人、習静堂など。一般には窯名として用いた「乾山」の名で知られる。


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京都の呉服商、雁金屋の三男として生まれ、権平と名付けられる。六歳年上の兄は尾形光琳である。貞享4年(1687年)父の遺言により、室町花立町・本浄華院町・鷹ヶ峰の三つの屋敷と書籍・金銀などの諸道具を、光琳と折半で譲り受けた。遊び人で派手好きで遺産を放蕩に費やした兄・光琳と対照的に、乾山は莫大な遺産が手に入っても、内省的で書物を愛し隠遁を好み、霊海・逃禅などと号して地味な生活を送った。元禄2年(1689年)、仁和寺の南に習静堂を構え、参禅や学問に励んだ。この仁和寺門前には野々村仁清が住んでおり、乾山は早くから光悦の孫の光甫や楽一入から手ほどきを受けていたこともあり、仁清から本格的に陶芸を学んだようだ。37歳の時、かねてより尾形兄弟に目をかけていた二条綱平が京の北西・鳴滝泉谷の山荘を与えた為ここに窯を開く。その場所が都の北西(乾)の方角あたることから「乾山」と号し、出来上がった作品に記した。正徳2年(1712年)50歳のとき京都市内の二条丁子屋町(現在の二条通寺町西入北側)に移住し、多くの作品を手がけた。作風は自由闊達な絵付けや洗練された中にある素朴な味わいに特徴があり、乾山が器を作り光琳がそこに絵を描いた兄弟合作の作品も多い。


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■仁和寺・飛濤亭

光格天皇の遺愛の席とも、また天皇みずからの好みで作られたものとも伝えられます。 飛濤亭は、下の池の水が飛んでくるということからなづけられました。入母屋造茅葺の田舎屋風な建物です。4畳半で、貴人口があります。貴人口のほかに障子の窓もあり、部屋を明るくし、また景色を眺めることが できるようになっています。出入り口も大きく天井も高く、ゆったりとした貴族好みの席です。洞床で框のない踏み込み床になっていて、床柱はなぐり目をつけた栗です。さび壁(鉄さび)で、天井は貴人畳は網代編み、点前畳は蒲の落天井、そのほかは掛込天井になっています。外観は荒壁、竹材、丸材の丸太など草庵風です。 枡形の手水鉢には夏はたっぷりと、冬は少なく水を張ります。


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■錆壁