焦りとコンプレックスが失敗を招く | 係争中

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人は言葉に、さりげなくその真意を漏らすと云う。


「魔法少女まどか☆マギカ」を観た時


小池一夫は「負けたという気がした」と漏らした。


森鴎外の作品に「鼓比べ」というのがあるな?


そこには森鴎外の、一つの問題提起がなされている。


芸術や音楽とは、競うものではない!


楽しむ事ではないのか?!


この事に気付いて主人公は、わざと負ける。


だが心は満足する。


この作品が今なお、教科書の教材になっているのは


やはり生徒に、創造物には


本来、優劣などない事を、教える為ではないのか?


自分の作品が劣っていると考えるのは


卑屈であり、コンプレックスの表れとも云えるだろう。


ひるかえって、最近の小池一夫原作の作品はどうだ?


どれも知名度は低く、打ち切りが多い。


創造者が作品を作る作業は、確かに困難だが


自分を表現する事の喜びが、


結局、相手に伝わるかどうかではないのか?


これが作業になれば、拷問だ。


勝負という競争原理を


植え付けられた世代らしい発想だ。


全ての芸術・創作には、確かに技術的な優劣があるが


伝えたい意志のない作品は、


本当に人の心を打つ事が出来ない。


他の作品と勝負しようという、この発想こそが


既に間違っているのだ。


そして打ち切りの連続という結果こそが


彼を失敗の連続に追いやっているのではないか?


誰かに何かを教えるにせよ、何かを創造するにせよ


情熱の無い所からは、良い物は生まれない。


それが「ストレンジャーソレント」の評価だ!


こんな状態で、講師が務まるはずがない。


人にモノを教える前に、一度頭を冷やして


森鴎外の「鼓比べ」でも読む事をお奨めする。