えぇ、、元祖長浜屋が食券導入?! | 自転車で大陸を越えるブログ

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学生のとき自転車で日本縦断、オーストラリア横断。一旦は就職したものの、会社を辞めて北米縦断。次に目指すは中南米縦断。このブログを通じて自転車で海外を旅する楽しさが、なるべく多くの人々に伝わればイイなぁ…と思っています。

久しぶりに福岡に帰りました。福岡の町並みは少し見ないうちに、どこかよそよそしくなっていて少し悲しくなりました。町も人と同じように毎日会ってあげないとスネちゃうんだなぁ…と思いました。まあ、町がスネるはずないのでスネてるのは僕の方かもしれませんが…。福岡の町並みはやけにキラキラしてました。

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キラキラした福岡で唯一ドロドロした雰囲気を醸し出しているのが元祖長浜屋 (通称がんそ)というラーメン屋です。メニューはラーメンだけなので店に入って「カタ…」と麺の固さをボソボソとつぶやけば、根性焼きを6つぐらい腕に並べたお兄さんが「ハイぃ、カタねぇ(低音)」と乱暴にドカっ!とラーメンを持ってきます。しかも2~3分ぐらいで、、、早っ!たまに注文したら10秒もしなううちにラーメンが来たりしてビビリます…店に入る前から麺茹でてた?

傾いた木製の丸椅子に座ってバランスをとりつつ、紅しょうがを「エィヤっ!」と入れたブタ臭い豚骨ラーメンをハフハフたべれば、グルタミン酸やイノシン酸のうまみを超越した炭水化物と脂肪と塩分の夢の競演が始まります。

ラーメンはビタミンや食物繊維などの小賢しい栄養成分を徹底的に排除して、生命維持に直結した三大栄養素(炭水化物・脂肪・塩分)を摂取する行為に最大限のヨロコビを感じるべき食べ物だと僕は確信しているのですが、元祖のラーメンはそのヨロコビをピークまで引き上げることが出来る最もリーズナブルなラーメンの一つです。1杯なんと400円、替え玉50円(!)。これでも僕が学生の頃はラーメン1杯350円だったので50円値上げしてるんです。関東の850円ぐらいの「能書き」ラーメンがアホらしくなります。

元祖長浜屋は近くの魚市場で肉体労働をしている人達を相手に発展したラーメンなので「早い、安い、旨い」がモットーなのです。何事も徹底すると凄みを帯びるんだなぁと思います。

さらに、元祖のラーメンにはなにやら正体不明の中毒物質が入っているらしく、しばらく食べないと慢性型元祖長浜屋欠乏症なってしまい、重症の場合は真夜中にラーメンを食べる幻覚を見たりします。僕も重度の中毒患者なので定期的に福岡に赴きラーメンを摂取する必要があります。

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前置きが長くなりましたが、そんな福岡文化を象徴したような元祖長浜屋に久しぶりに行ってみると、なんと食券なる軟弱なものを導入していました。確かに以前はラーメンを食べ終わると店内の人ごみを掻き分けて(元祖長浜屋はいつも人が多い)「えっと…1パイと替え玉1…」みたいに一人一人が口頭でやり取りしていたので、混雑した店内がますます混雑していました。伝票が無い完全自己申告制なのでたまに替え玉を誤魔化したりもできましたし…。

食券の導入は運営の効率化を図るために有効な手段かもしれませんが、中毒患者の一人としてははなんだか寂しく思いました。福岡の町並みで変わっているところはもっと沢山あったのですが、元祖長浜屋の食券導入が一番印象的でした(どんぶりも変わってたし)。まあ、味覚シナプスを鷲づかみにするような暴力的うまさは変わっていなかったので良しとしましょう。

久しぶりに食べたので油負けしてお腹が痛くなりました…情けない。