ウチのコンドミニオの2階に住む

ご老人(83歳には見えない・・。もっと若く見える)は

変った親日家である。


「日本」のどこがすきなのか?

それを説明するにはまず

彼の信じる思想を知る必要がある。


彼の家に行けば一目瞭然。

コンドミニオの集会があるときに

彼の家を拝見することができる。

このコンドミニオが

’56年に建てられたときから住んでいる

一番古株の彼の家で開かれる。


ドアを開けるとまず

目に飛び込んでくるのが

ムッソリーニの肖像画、ケルト十字、それに

超特大の十字架。

リビングにはこれまたイタリア海軍の旗。

新聞はLiberoまたはIl Giornale。

めがね首かけストラップさえも・・・。


そう、彼は筋金入りのナショナリスタ(愛国者)、

ファシスタ(ファシスト党支持者)なのである。


第2次世界大戦中は志願して前線に行き、

潜水艦水兵であった。

*志願した人、潜水艦水兵には狂信的な

ファシスト党親衛隊が多かったという。


そのせいか、

日本が大好き。(ちなみにドイツも好き。)

力を尽くして戦いぬいた日本の誇り高き面が

好きだという・・。*アメリカは大っきらい。

日本の時代物のドラマ(白虎隊、新撰組)など見せたら

絶対気に入るだろう・・。


イタリアがさっさと降伏してしまったことについて

イタリア人として恥ずべきことだといっていた。


ここまで思想的に過激だが、

フツーの優しいおじいさんである。


一人暮らしの身寄りのない病気の

お年寄りを助けたりしている。


ドイツ好きといっても

ヒトラーのしたことは許せないといい

腕にはユダヤのシンボル、

ダビデの星のブレスレットをしている。


これはユダヤ人の身寄りのないお年寄りを

世話したときにお礼にじきじきそのお年寄りが

イスラエルに帰った時に贈ったものらしい。


人情深くて誇り高い

サムライのようなおじいさんである。

*でもどこかかたよってるなぁと思うことが多々あるが・・。