司法書士って何をする仕事なの?
弁護士や行政書士との違いは何??
よく聞かれることがあります。
司法書士と弁護士・行政書士とのちがいを「成年後見業務」の観点から説明してみようと思います。
まず、後見人には、司法書士も弁護士も行政書士もなれます。
ただ、司法書士と弁護士は家庭裁判所に候補者名簿を提出していて、家庭裁判所から名簿に基づいて後見人の候補者を推薦してほしい旨の依頼が来ますが、行政書士はそうではありません(少なくとも東京においては)。
では、どのようなケースで司法書士に後見人になってもらうのがいいのでしょうか?
司法書士は、不動産関係の業務に長けていますので、ご本人の財産の中に不動産がある場合は、司法書士に頼むと安心だと思います。
そのほか、相続手続・債務整理が必要なケースも司法書士に向いていると思います。
次に、後見の申立てをする際の業務を比較してみます。
弁護士→申立ての代理ができる。
司法書士→申立ての代理はできないが、申立書を業務として作成することができる(注)。
行政書士→申立ての代理も、申立書の作成も業務としては行えない。
(注)司法書士法第3条(業務)
司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
4 裁判所若しくは検察庁に提出する書類(中略)を作成すること。
司法書士は申立ての代理はできません。
ですから、申立時の面接には申立人に同行していただく必要があります。
ただし、申立人が裁判所へ行けない事情があり、司法書士が後見人の候補者になっている場合は、司法書士だけの面接も認めてもらえる場合がありますし、そもそも面接を省略してもらえる場合もあるそうです。
成年後見業務における司法書士と弁護士・行政書士との違いがおわかりいただけましたでしょうか?
※この記事は「後見日記」の記事に加筆したものです。
(東京ジェイ法律事務所 司法書士 野村真美)
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