マル・ドリップ | 自家焙煎珈琲 豆散人アルジの公式ブログ 珈琲と日々

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愛知県豊明市にある自家焙煎珈琲店 豆散人(まめさんじん)のアルジが、珈琲のこと、お客さんのこと、日々の思いなどを気ままに綴っております。 (旧 ほちほち日記)

愛知県豊明市からこんばんは。

自家焙煎珈琲豆散人アルジです。

 

 アルジの珈琲の淹れ方は、蒸らしがとても短いので、初めてご覧になった方はびっくりなさることが多いです。

 深煎りは10秒程度、極浅煎りはまったく蒸らしません。

 

 この淹れ方について、「良い部分だけを摂る」と一番搾りみたいに言われることがありますが、本当はそういうことではありません。

 「最初の良い部分だけ摂って、悪い部分は入れない」のではなくて、「豆をまるごと全部入れる」のです。

 なので、今後「マル・ドリップ」と呼んでいきます。

 

 蒸らし過ぎると、良い成分が雑味成分に変わります。それは、思っているより早く変わります。

「30秒蒸らさないと味が出ない」と信じている方がありますが、あれは味が出たのではなくて、雑味が出たのです。

 

 良い香りの成分も、時間が経てば雑味に変わります。香りが出るということは、それが空気中に拡散しているということです。香りは無際限に豆から出るわけではありませんから、香りが出るほどに「出涸らし」の状態に近づいていきます。

 その出涸らしに近くなったものに、お湯をかけても出てくる成分は珈琲本来のものではなく、それが変質した雑味です。

 

 豆をまるごと味わう淹れ方をしたほうが美味しいです。ただし、豆(焙煎含めて)が良くないと、豆まるごとの味が出るために美味しくはなりません。マル・ドリップは誤魔化すための淹れ方ではないのです。

 

 従って、「マル・ドリップ」が広まれば、本当に美味しい珈琲が広まることになります。