映画「ソラニン」 | まめむら

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2009年11月に日比谷パレスにて挙式・披露宴。
2011年4月30日に第一子の息子を出産、
2015年4月1日にスーパー早生まれ児の第2子次男を出産
2016年5月より復職し2児ワーママとして奔走中

4月3日の公開日に見に行ってきました!
浅野いにお の漫画「ソラニン」の映画化です。
公式サイト http://solanin-movie.jp/
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私、ケムちゃん、なっちゃんに「レビュー上手」とか言われて浮かれてるけど
この作品は思い入れ強すぎて、感想が超長文に・・・
「レビュー上手」撤回されるかもしれん(笑)

※一応、大事なところ(チラシにかかれてる以降のあらすじ)は
ネタバレのないように書いてますが、
原作未読で、見ようと思っている方はご注意くださいませ。



公開初日とはいえ、
邦画なのにものすごく大きいスクリーンで上映されていて驚いた。
キャストが豪華だからかな?
レイトショー(上映終了が終電後)だったからか
ほとんど人居なかったけど。


もともと私も旦那も「浅野いにお」が好きで
この漫画も何度となく読んでたから
もちろんストーリーは全部知ってたの。

けど、映像としてみると、また違った感動があるよね。
この映画、割と原作に忠実に再現していたので、
頭の中で思い描いていたものが
リアルな映像として入ってくるのが楽しかったよ。

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↑映画のポスターと、コミックの表紙。

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【あらすじ】
都内の会社に勤めるOL2年目の芽衣子(宮崎あおい)は、
フリーターでバンドマンの恋人、種田(高良健吾)と付き合って6年になる。
田舎から上京、大学時代に軽音サークルで知り合った二人は、
多摩川沿いにある小さなアパートで一緒に暮らしていた。
毎朝バイトを終えて帰ってくる種田と入れ違うように、
満員電車に揺られて出勤する芽衣子。
やりがいのない仕事と面倒な人間関係をやり過ごす日々に
辟易していた芽衣子は、辞表を提出する。

OL2年目で自由を求めて会社を辞めた芽衣子。

音楽への夢をあきらめきれないフリーターの種田。

不透明な未来に確信が持てず、

寄り添いながら、東京の片隅で暮らすふたり。

そんなイマをどうにかしようと、

仲間とともに種田が書き上げた曲「ソラニン」をレコード会社に持ち込むが、

良い反応がないまま日々は過ぎていく。

そんなある日、種田がバイク事故にあってしまい――


【ソラニンとは】シャガイモの芽などに含まれる「毒」の一種。


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主人公の「種田」と「芽衣子」は、
ヒーローでもヒロインでもなく、どこにでもいる普通のカップル。
でも、その普通さがリアルで、自分を投影して心につきささる。
(私と旦那も学生時代から付き合ってきて社会人になった、って境遇だしね・・・)


自分はこのまま平凡な人生を送っていくのかな、
もっと明るい未来が待っているはずじゃなかったかな・・・

今の生活に不満があるわけじゃないのに、
そういう思いがよぎる瞬間は、私にもある。

旦那との生活は幸せで、どこまでも続いてほしいと思う反面、
「就職して」「結婚して」「子供を育てて」
そういう「普通」の人生で、満足?と言われると、
本当は何かもっと劇的な変化が起こってほしい、
本当は何かもっとすごいことをやりたい 
って欲望が、まだどこかにあるような気がするの。


大学に入って東京に上京してきた時、
東京には地元とは比べ物にならないくらいなんでもあって
チャンスがあふれていて、
人生これから何でもできそうな気がしてたのに
就職活動を始めたとたんに色あせていったんだよね。

卒業したら当然のように「就職して働く」ことが「現実」で
卒業後も夢を追うのは「現実逃避」だって言われた。
(私の大学、とくに私のゼミには劇団に入っていて
役者になる夢を追っている人がたくさん居たけど、
世間一般的にみたら「レールから外れた」「負け組み」だった)

何かを成すにはもう遅すぎるって突きつけられたような気分。

働き出してからもまだ「何かやりたい」「やれるかも」と
漠然と思っていたけど、
「結婚」した今となってはさらに「平凡な幸せ」に近づいていて
今の生活に胡坐をかきそうになってる。
だって今でも十分に幸せなんだもん。

でも、このまま人生終わるの?って思うと
妙な焦りと悲しさを覚えるのも事実なの。


だから、何かを変えたくて衝動的に仕事をやめた芽衣子、
もう一度本気でバンドをやってみようと決めた種田、
無謀すぎるし自分にはできないけど、
変わりたいと思う気持ちにはすごく共感できる。

「現実見ろよ」「大人になれよ」

まわりからそう言われながらも、

「大人になるってなんだ」
「何かを諦めることが大人になることなのか?」
「就職して働いたら大人なのか?」

答えの出ないモヤモヤを抱えたままにできなくて、
流れに抗おうと必死でもがいてる、2人の話です。


一緒にいるだけで幸せだと思える人が居ること。
でも、現状に満足しきれていないこと。
そして、大切な人を失う怖さ。
全部痛いくらいわかってしまうから、
芽衣子に感情移入しちゃって胸が苦しくなったよ。


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映画の中で宮崎あおいちゃんが歌うんだけど、
最近流れているearth music&ecologyのCM
(「ヒマラヤほど~の~消しゴムひと~つ~」ってやつ)
でのあおいちゃんの歌があんまり上手じゃないので
「ソラニン」どうなるんだー?!(°д°;)
って実は不安になってました(笑)
けど、「素人が一生懸命歌ってます」感が逆に良かった!

細い肩にギターかけてるのも、可愛かったしね(ヘンタイ的。笑)
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最初キャストを見たとき、「芽衣子」は宮崎あおいちゃんじゃ
線が細すぎるかな、と思ったし、実際可愛すぎたと思う。
もうちょっと気が強い雰囲気出してほしかったし。

でも、あおいちゃんがすっごく可愛いから、
まともな大人なら「しっかりしろよ!なにこのダメな若者!」って
イライラしていまうようなストーリーを見ていられるのかもしれない(笑)

種田役の高良健吾くんも原作の種田よりももっと大人しそうでイケメンすぎ。
でも、「バカっぽい種田」感はなかったけど「うじうじ悩む種田」感はすごい出てた。
もうずっとメガネかけてたらいいよ。(←メガネ男子好きな私。笑)
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↑これ、なんかの特集から引っ張ってきた原作とのキャスト比較。
サンボマスター近藤サンの加藤は原作忠実再現すぎてすごかった(笑)
桐谷さんのビリーも演技すごい良かったです。
ビリーのおかげで映画が締まってたと感じました。

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しかし、原作知ってて次に何が起こるかすべて分かってるのに
原作と同じところで泣くんだよねぇ(笑)
泣きすぎて観終わった後、鼻が赤くなってて
旦那に笑われたわよ!

なかなか良い映像化でした。
まぁ、やっぱり原作のほうがおすすめだけどね。
(しっかり心理描写されてるので。映画だけ見たらただの「ダメな若者の話」かも)

家に帰って原作読み直して細かいところ確認したので
もっかい映画見に行きたいなー。



↑原作も、ぜひ。