回想にもどります。
不安と前進の年末年始は
穏やかに過ぎた
穏やかだけれど確実に
母は弱っていた
入院まで抜くことができない胸の水
圧迫するのだろう
300mの移動で猛ダッシュしたような息切れ
お正月のお買い物も
無理しているのがわかった
わかっても止められない
ひとつひとつの行事やお出かけの機会を
お互い大事にしようとしているのが
言わなくても通じていた。
年始の暴飲暴食も落ち着いた頃
大量の荷物と共に入院が始まった。
病室について直ぐ
別室へとわたし達は連れられる
詳しく説明すると喧嘩した例の担当医師がいう
浅い呼吸を落ち着かせ
冷たいリノリウムの床に少しの違和感と一緒に置かれた
ソファに腰掛けた。