舅)つかめないタイミング。 | 同居嫁のため息

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久しぶりに帰って来ましたぁ! 実録、「渡る世間…」。

私たちはさらっとショッピングモールを廻った。
姑は終止ご機嫌でウインドウショッピングを楽しんだ。
中でも3階にある戦国・忍者・和小物専門店に心惹かれたようだった。

和傘風の安価な傘を開いたり、閉じたししながら、
お気に入りを吟味する姑は、夫が一緒にいたせいか
おねだりモードに入らず、自分のお財布から5千円札を取り出しながら
「ワタイの財布、金がないさいかいに無い布(ナイフ)やねん」と聞き飽きるくらい聞き続けて来た姑ギャグを何度も連発した。

よほどご機嫌なのだろう。
姑のリクエストどおり回転寿司店に向かうと客入りは盛況で私たちは整理券を発券し、店前にあるベンチに並んで腰掛けた。

私はチャンスとばかりに「ATMに行って来るから、呼ばれたら先に入っていてね」と2人に告げて席を立ち、夫に「よろしくね」と告げると夫は余裕のない笑顔で「はいはい」とテンポ良く答えた。

同じフロアにATMがあるというのに私はわざわざ施設のとなりにある銀行まで向かわせた。ハナシをするのに丁度良い時間だと考えたからだ。

体裁を気にする姑のことだ。大声を上げたり、反抗的な態度をとることはないだろう…。
私が戻ると、丁度次の番となっており、2人は入り口近くのベンチに座っているが、姑は楽しそうにマシンガントーク中であった。夫は私の顔を見るなり、頭を左右に軽く振った。
「あちゃー、やられた…」私は心の中でつぶやいた。

まもなくして私たちはカウンターへと通され、姑が席に座ると夫は私に姑の隣に座るように促した。私は思わず「パパ?」と声を出してしまったが、夫は飄々とした表情で真ん中の席をひとつ空けて着席したのだった。
私は途端に不機嫌になったが、誰もその表情を見ることはなかった。だって。カウンターだもの。

結局、私たちは姑のハイテンショントークに付き合いながら昼食を済ませたのだった。