前回から6日も空いてしまいましたが、お話を続けます。
私がジョージタウンに行ったのは、語学教育法を学ぶのなら一番いいと皆が口を揃えて推奨していたからでした。この分野での大学ランキングを見ても当時は圧倒的な1位。
あとで分ったのは、それもこれもアレイタス博士がジョージタウン一筋で、大学の言語学部長として活躍させていたからこそのことでした。
夏期学期中は毎日クラスでご一緒出来ていたものの、お忙しそうな博士とその後は挨拶程度で特に直接お話の機会を持つ事はありませんでした。
卒業後も、時折学会でお見受けしたものの、常にいろいろな人達に囲まれて談笑されている博士でしたから、ご挨拶すらできないでいました。
そしてあれから20年以上も経った今、先月末のTESOL大会にてとても感動的な体験をさせて頂いたのです。
大会2日目の朝にあったアレイタス博士の功績にちなんで設けられたJames E. Alatis Plenary講演会でのことでした。
講演の内容は「TESOLの過去・現在・未来」。講演者の一人は今や言語学会で世界的な権威のデビット・ニューナン博士でした。
そしてニューナン博士が45年前の発足当時の話をした時、アレイタス博士の名前を出して会場の最前列を指差したのです。
いらっしゃっているんだ。まだお元気で。と嬉しくなりました。
なにしろ会場には何千人もの人がいます。前回参加した一昨年ニューヨークの大会では、講演会でもアレイタス博士のお姿を見つける事はできなかったのです。
指差された前方を見ると、どうやらひとり車椅子に座っているような影が目に入りました。
車椅子。。。とても気になり講演が終わるとすぐに近寄ってみました。そしてやはり車椅子には、あの懐かしいアレイタス博士がやはり沢山の人達に囲まれていました。
もう私のことを覚えていらっしゃる訳もなく、遠目からお写真だけを撮ってその場を去ろうとしました。
![石渡誠 世界を変える英語との出逢い~Language Teaching for a Better World~](https://stat.ameba.jp/user_images/20120817/13/makoto-ishiwata/dd/a1/j/o0400026512139652832.jpg?caw=800)
あいかわらず、おしゃれでダンディなアレイタス博士ではありましたが、笑顔の奥に明らかに病魔と闘っているような様が見受けられました。
「先生から沢山の事を学びました」と一言だけでも言いたい。そうでないと一生後悔する気がして、思い切って博士の世話をされていた男性に少し事情を説明させていただきました。
すると彼は人垣を割り博士に歩み寄りると、"Daddy, there's someone I want you to meet."と言って場を作ってくれたのです。。。
(次回、いよいよ再会のシーンを再現します)