アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

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映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

アカン系かと思ったら真っ当なミステリでした!

 

 

雪深い精神病院に一人の若い医者がやってくる。

院長も使用人も患者もひと癖もふた癖もありそう。

病院に隠されたある秘密を知って医師はどうする、どうなる?

 

 

注!)

ネタバレを知らないほうが楽しめます

 

 

1899年、オックスフォード大学では学生たちを前にして教授が講義中。内容は「ヒステリー」精神科の講義だ。

精神科を目指すものは覚えておきなさい、聞いたことは信じるな。

 

 

ストーンハースト精神病院。

人里離れた冬の病院に、若い医師エドワード・ニューゲートがやってくる。

 

 

病院内はボイラーの調節がうまく行ってないのか、とても寒い。

エドワードは、院長のラム・警備担当のフィンに、病院内を紹介される。

多くの患者たちは拘束もされず、自由に院内を闊歩していた。

 

 

そんな患者たちに囲まれピアノを弾いている淑女、イライザ・グレーブス夫人。

エドワードは彼女の虜。

 

ハートラブラブラブラブラブラブラブラブラブハート

 

 

夕食の時間、患者たちとともに食事をするのがこの病院のならわし。

 

その席でフィンの名前が「ミッキー・フィン」と知り「まさか冗談でしょ?」

ミッキー・フィンとは、酒に毒を入れて殺すもの=毒殺魔の意味を持っていたから。

 

 

 

 

イライザはこっそりと「あなたのいる場所じゃないから帰れ」と告げる。

そんなことを言われたからと行っておめおめと帰れるわけもなく。

自室に戻ったエドワードは病院の地下から怪しい物音が聞こえてくるので様子を見に行くことに。

 

 

地下には檻に入れられた人々が!

「私がこの病院の本当の院長、ソルトだ」

「私は看護師でした」

「私は…」

正職員たちが檻に入れ閉じ込められている?

「ラムは、患者だったのだ、今働いているのは患者ばかり。だからボイラーも上手く使えず凍えそうなほど寒いんだよ」

 

 

「鍵を持ってきてくれ、ラムの部屋にあるはずだ」ソルトに頼まれエドワードは彼らをこの劣悪な環境から逃がそうと考える。

 

グッ真顔真顔真顔真顔真顔真顔真顔真顔真顔グッ

 

 

イライザはソルト医師たちを救おうとすルエドワードには反対。

ソルトは患者たちに言葉では言い尽くせないほど酷い事をしていたから。

モルヒネを打ち廃人同様にする、拷問に等しい苦痛を与える…、あれは治療とはいえない…。

ただ、看護師の女性は優しくしてくれたので、あのまま放置するには忍びないと思ってる。

 

 

遂に地下牢から脱走者が出るが、フィン達警備隊に追いつかれ一人は自殺。

もう一人は、どう見ても殺されたとしか思えない姿で病院に戻ってきた。

 

 

ラムはソルトを地下から引きずり出し、電気を脳に通す「治療」を施す。

ソルトは自我と記憶をなくし、新しい人格を与えられる。

エドワードはソルトの次は地下に囚われている人たちがターゲットになってしまうことを危惧し、彼らを逃がすことを決意。

 

 

 

 

エドワードはラムの部屋で彼の過去を探り、一枚の写真を見つけ出すことに成功。

 

 

ラム院長を亡き者にするため、

酒に毒薬を入れているところをフィンに見つかったエドワード。

格闘の末、フィンを石炭貯蔵庫に生き埋めに。

つか、院長を狙うために全員が死ぬかもしれない無差別攻撃?

 

 

ラムを始めとする患者たちが毒入りのシャンパンを口にする寸前、生きていたフィンが現れ毒殺失敗。

エドワードは拘束され、電気療法の刑に処されそうに。

 

 

一方イライザはエドワードの懐中時計に自分の写真が入っていることに気付き、自分を束縛し続ける夫の手先かと疑う。

しかしこのままエドワードが死んでもそれはそれで気ィ悪い。

「オックスフォードで実験体にされている君を見て、なんとか助けようと思った…」

あの言葉が嘘とは思えない。

 

 

電気ショックの寸前のエドワードは「最後の願いだ、ポケットに入っているイライザの写真が見たい」と頼み込む。

ラムが写真を取り出してふと見ると、そこには少年兵が…!

 

 

星ラムの記憶だっちゃ星(ここで「だっちゃ」をぶっこんできやがった)

軍医をしていたラムは負傷した兵士に治療も施せない、救うことも出来ない状況にオツムボーン。

怪我の程度にかかわらずその場にいた患者を全員撃ち殺してしまう。

あの少年兵は軽傷で生きたがっていたのに殺してしまった。

自殺するつもりが弾切れという最悪の結末で生きながらえてしまった…。

 

 

ラムの中で戦争はまだ終わっていない。

ラムは心を閉ざしてしまう。

 

 

エドワードはイライザに救い出され、彼を殺そうとしたフィンも感電して焼死。

病院も炎に包まれ焼け落ちる。

 

 

燃える病院の前でエドワードは言う。

「イライザ、君に言ってないことがあった…」

 

 

 

春。

イライザの夫が教授を伴って病院を訪れる。

「イライザを退院させてほしい」

しかし看護師長(今の責任者、地下牢に閉じ込められていたがソルト医師のやり方には反対していた)は「イライザなら退院しましたよ」と告げるではないか。

 

 

「誰が許可を出した」

「エドワード・ニューゲート教授です」

「エドワード・ニューゲートは…私だ!あいつは私の名を語ってここに潜り込んだ…なんて患者だ」

 

 

あのオックスフォード…。

エドワードはイライザに出会い、ひと目で恋に堕ちた。

イライザの行方を探し、イライザの近くにやってきた…そう、彼は…。

オックスフォードでイライザの次の被験者だった患者。

 

 

学生じゃなかったーーーーーー!

 

 

!!滝汗滝汗滝汗滝汗滝汗滝汗滝汗滝汗滝汗滝汗!!

 

 

イライザとエドワードは、温かい南欧の精神病院で平和に暮らしている。

愛という治療薬を使いながら。

2人の名前は。

ラム夫妻…。

 

 

     おしまい

 

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

 

 

エドガー・アラン・ポーの短編を映画化したそうで。

アサイラムというタイトルと、

監禁病棟というサブタイで、

すっかりポンカス系だと思いこんでたら、

良質のミステリーでござった!

 

惜しむらくは、中途半端に長いので中盤がだらけてしまった所。

看護師役をしている患者の女の子、ミリーがフィンに殺されるシーンは必要だったのかな…と思います。

ラム院長を探るのも、もっとさっさと出来たろうに…と。

 

 

ミリ-を妹のように思ってるイライザ。

ミリーも一緒に逃げようとエドワードは言ってたけど、彼がミリーに同じような愛情を与えたかどうかは怪しいしにゃぁ。

ミリー、誰からも必要とされてなかったの?哀れな…。

あんま可愛そうだったので、ミリーが一人でダンスを踊るシーンをイラストにしました。

成仏してや…。

 

 

ふんわり風船ハートおばけおばけおばけおばけおばけおばけおばけおばけおばけふんわり風船ハート

 

 

エドワードも患者だったとは。

医師として患者に寄り添ってるけど、「おかしい部分」がてんこ盛りだったのはそういうことか!

シャンパンに毒注入も、何の躊躇もなくやってるし。

彼にとって大事だったのはイライザだけで、他の人はどうでも良かったのね。

 

 

 

ラムは、もっと精神力が強いかと思ってたらあっさりイカれてしもうて。

この人双亡亭に入ったら、即座に向こう側に与するタイプの人や…。

 

 

ソルト&ラム。

ウラとオモテ、陰と陽。

足して2で割ればいいのに。いいコンビだと思う。

 

 

こういうどんでん返しミステリーは、前半でちゃんとトリックのネタを提示してないと反則になりますが、オックスフォードの講義なんだもん、あそこは殆どの人が医学生だと思うやん?

 

 

まさに、

「聞いたことは信じるな」

「見たものは半分だけ信じろ」

これ!!

 

タイトルのポンカスっぷりに騙されてはいけない。

…とは言うものの「アサイラム」って時点で「お察し」なのはポンカス映画ファンなら暗黙の了解。

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