お母さん、麦茶持ってきて。
ヒメアノ~ル 通常版 [DVD]
4,536円
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スキスキだから付き合って欲しいけど、心はカラカラ空回り。
純情一直線の僕の恋。
ああ、甘酸っぱ~~い…とちゃうんかい!
(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)…って、え?
何この凄惨さ…。オモチロスギル!
清掃のバイトをしてる岡田くん。
趣味もなく彼女もいない、目的もなく生きて行く今時の若者。
先輩の安藤に相談してみると、
なんと安藤は、
恋をしてる!
と宣言しはったやないのん。
安藤が恋するドーナツ屋の店員・ユカ。
その店に四六時中来ている金髪男も、ユカ(安藤いわく天使ちゃん)を狙ってるらしい。
あの金髪男って…高校の時の同級生、森田くんじゃん。
「久しぶり、オレ岡田、森田くん、いつもここ来てるん?」
「岡田くん…?ああ…いいや、来てない…なんか勘違いしてるんちゃう?」
岡田と森田は連絡先の交換をしました。
安藤に押し切られ彼氏がいるかどうか確認して来ることになった岡田は逆にユカから声をかけられます。
森田がストーカーまがいのことをしているから、それとなく注意してほしいねんけど。
森田に会う岡田ですが、なんだか会話が噛み合わない…つか、成り立たない。
森田に強請られている和草は、父親の会社で働いている彼女さんを使い、金を横領してはる。
和草の彼女は、こんなことをしてたらいつかばれるから、いい加減断ってほしいと思ってる。
安藤と岡田、ユカとその友人がコンパをしますが、そこでユカに好きな人が居ることが発覚。
ところがユカの好きな人が岡田だったことから話はややこしくなります。
ユカの岡田への告白を聞いてしまった安藤はパニーック。
「岡田くんが親友の運命の人を奪うわけないもんね。
もしそんなことしたら…バラバラにして殺しちゃうよ?」
安藤先輩、コワス!
岡田もユカを憎からず想ってたので、安藤に内緒で付き合うことに。
順調に交際を重ね、いつしかお互いの部屋を行き来する仲になっていました。
ラブラブなユカと岡田の嬌声を部屋の下でじっと聴いている森田…。
森田、コワス!
不甲斐ない和草。彼女さんは何故言いなりになるのか?と訊きます。
和草は高校生の時森田と一緒にひどい虐めにあっていました。
首謀者は河島。
卒業をひかえたある日…森田から呼び出されて行ってみると、河島が獲られられている。
森田は「一緒に復讐しよう」と和草を誘い。
リンチの果て河島は死亡。和草は共犯者…。
そのことから、ずっと森田に強請られてて…。
森田は岡田を殺すため和草を呼び出すのですが、耐えられず自首しようとする和草。
婚約者が耳打ちします。
殺せばいいじゃない…。
森田を殺しに行く和草と恋人。
しかし計画も何もない2人は手間取り、逆に森田にボコられた挙句焼き殺されてしまうのでした。
イラつく森田は、自分を小馬鹿にした様な態度を取った見知らぬ女性も殺してしまいます。
何の躊躇いもなく。
そんな森田が、通りすがりのチンピラに強請られてお金を巻き上げられる…。
精神力は異常でも、肉体的暴力パワーのオラオラ系には手も足も出せない。
世の中は弱肉強食…。
安藤がユカに恋心を打ち明けると言い出しました。
断られても愛や誠意は時間をかければ伝わるから…!(思い込み)
流石に隠し通せず、ユカとは既に「そういう関係」であることまで打ち明ける岡田。
安藤…壊れボーン。
その頃森田は、全く見ず知らずの家に上がり込み家人を殺し、遺体の横でカレーを食べていました。
帰宅した主人も殺しとくNE。
警察がやってきますが、当然KILL→銃を手に入れました。
平常心を全く失わず淡々と人を殺していく森田!
怨みや怒り…そういうものは何も無く、邪魔だから排除する。
その「排除」の手段が「殺人」であるだけ。
森田は執拗にユカを追います。
ユカのバイト先に行っても辞めた後。
アパートに行っても引っ越した後。
ユカは森田に怯え、行方をくらましていました。
警官の遺体が発見され、岡田は森田のことを警察にあれこれ訊かれます。
和草と恋人も殺され、ユカの隣りに住んでいた正義感の強い男も殺されていたことも教えられ…。
安藤は森田に偶然出会い、彼自身の正義に乗っ取り森田を追いかけますが、銃で撃たれてしまいました。
病院に駆けつける岡田とユカ。
一命をとりとめた安藤にほっ。
自分たちのせいで安藤をこんな目に合わせて申し訳ないと謝る岡田。
安藤は言います。「君は悪くないよ…親友だもん」
親友…。
岡田は高校時代、森田と仲良しでした。
しかし森田が河島たちに虐められたのを機に疎遠になっていきます。
森田は虐めに耐えきれず登校拒否に。
岡田は河島から標的にされるのが嫌で、引きこもっていた森田を学校に引きずり出すのです。
その結果森田は以前よりももっともっと酷い虐めに…。
犬のウンチョスを食べさせられたり、女子がいる前で御何衣(誤変換ではなく、アメちゃんのだめワード避けです)をさせられたり…。
陽の差す教室。
悲鳴を上げる女子。
笑いながら森田を見る河島。
森田を助けるどころか加担してしまった岡田。
森田が岡田を見る眼差しは、軽蔑と蔑みと…深い深い悲しみの色に彩られていたのです…。
たった一人、獲物にされた森田。
友人に売られた森田。
この時から彼は、ゆっくりと壊れていったのかもしれません。
いいえ、本当はもっと前から…。
岡田の住所を手に入れた森田はアパートに押し込み、ユカを手に掛けようとします。
ユカを守ろうとする岡田。
「あのときのことを怒ってるんだよね?御何衣のこと…」尋ねる岡田に森田の答えは。
「…あのとき…お前…いたっけ?」
森田には過去も未来もない。
刹那的に、邪魔者を殺めていくだけ。
目の前を横切るハエを叩き潰す人間に、何の罪悪感もないのと同じ。
岡田と森田は乱闘の果てアパートの窓から転落。
パトカーのサイレンが響く町。
岡田を人質に逃げる森田。
車を奪い(もちろん持ち主の人は邪魔なので排除しておきますよ?)、パトカーに追われながらもただ逃げる森田。
ですが、犬を避けるため、ハンドルを切ったら壁に激突。
衝撃で意識退行を起こす森田。
「おかだくん…きてたんだ。
かりてたゲームかえさなきゃ…。
おかあさん、むぎちゃふたつもってきて…」
逮捕される森田。
彼の足はちぎれぼろぼろになっています。
「おかだくん、またいつでもあそびにきてよ…」
岡田は助かります。サイレンの音が耳に心地よく…そして記憶を辿りながら意識は消えていきます…。
高校入学当時の森田と岡田。初めて話をした2人。
「どこ中?」
「ねえ、もう誰かと話した?」
「森田くんが初めて」
「へぇそうなんだ!」
ゲームに興じる2人。
新緑の風、穏やかな時間、かけがえないと思っていた友情。
「お母さん、麦茶ふたつ持ってきて!」
庭には、白い犬…。
おしまい
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原作未読。
感情がフラットでサイコな森田という青年。
邪魔なもの嫌なものを、なんとかして避けるなり折り合いをつけるなりするのが、処世術で。
そういうのを身につけて人は世間を渡っていくのに。
森田は殺すという排除方法で世の中を渡っていく。
森田の殺意の琴線は、ちょっとしたことでもピリピリ反応し、
そんなことで?という理由であっさりと振り切れちゃう。
こんな凶器を世に放ったらアカンで!
そうは思いながらも、森田がサイコパス森田になる過程を見てしまうと、なんとも悲しく切ない。
人が壊れれてしまうのは簡単。
信頼していると思う人からあっさり遮断されるだけ。
たったそれだけで、多くの人は奈落の底へ突き落とされます。
もちろん、そんなことでへこたれない鋼メンタルな人もいますよ?
裏切られてもそれを肥やしにしてどんどん強靭になっていく人。
森田はそういうタイプじゃなかった。
弱く脆く…だからこそ「感情」という楔から放たれたかったんじゃないかいな。
三角関係のラブコメかと思ってたら、不穏になって行って、ウワァという展開。
えっと、これは、心の弱い人が観たらアカンやつかもしれない。
安藤もちょっと怖いし。
一途といえばかっこいいけど、結局人の心なんて全く慮っていない、めんどくさい人だし。
岡田は流されやすくて、イイ子ちゃんになりたくて、傷つくのが嫌で。
森田はもう壊れるしか生きていけなかったんやろうなぁ…。
森田が可哀想というかね、
森田の親御さんがごく一般的な方だったら…と思うと胸が潰れそうだった。
森田剛クンの
「お母さん、麦茶持ってきて」
が、ホンマすごくって。
まっとうじゃない時とまっとうな時、ぜんぜん違うのね。
同じセリフなのに。
チンピラ役しか来なくなったり、ジャニーズでも汚れで、
正直嫌いな方に偏ってたV6メンバーだったのに、これで一気に「すげぇ」と思った。
森田がワンコを避けたのは、あの時…あの幸せだった時に呼び戻すトリガーやってんやろうなぁ。
泣ける…。
オススメはしません。
こういうの苦手な人は本当に苦手だろうと思うから。
森田は気の毒。
けど、やっぱ「死刑にしはったほうがよろしいぇ?」って言うな、マダムは。
生きてたらアカン人やと思う。
森田のためにも引導を渡したったほうがエエんちゃうやろか。
そこは譲れへんかな…。
森田への壮絶な虐めが泣けます。
あの時岡田が少しでも森田に寄り添ってたら、森田は違う道を歩んでたんでしょうか?
コメディだと思ってたら実はちゃうやんか映画!ポチ
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