キリキリキリキリ…
オーディション [DVD]
3,990円
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妻が病で亡くなってから、息子を男で一つで育てて来ました。
そろそろ彼女作ってもエエんちゃうやろか?
ある映画のオーディション(兼:男の彼女探し)で、
理想に近い相手に出会うのだけれど。
青山は映像関係の会社を経営中。
さほど大きくはないけど、それなりに業績も上げているっぽい。
病気の妻を失くして7年…。
小さかった息子も、もう高校生。
息子にも再婚とかどうよ?なんてからかわれる始末。
女っ気がまったくなかったわけではなく、部下の女(不細工)と一夜限りの関係を持ったりテケトーにエンジョイしてたんですよ。
友人の吉川が、
「映画のオーディションするけど、お前来ない?そこに映画スターには向いてないけど、お前の言う理想に近い娘が来るかもしれへんやん?」
と言ってきます。
青山の理想は結構高くて、楚々とした美人でケツカル女じゃなくてお稽古ごとやら何やらを続けてるヒッキーじゃねぇ…と言うね。
オーディションに向けて書類選考の段階で、山崎麻美と言う女性に目をつけよる。
いよいよ当日、いろんな女が来る中、山崎麻美は青山のハートにドンピシャ。
おつきあいを始めることになりました。
部下の女の、汚れちまった悲しみも「遊びでした」と足蹴にし、すっかりぞっこん麻美LOVE。
でも、海千山千のゲーノー界をくぐってきた吉川は、
「あの女はちょっとやばいで」
と言い始めましたん。
何しろ、麻美の経歴につながってる人、誰一人とも連絡が取れへん。
某レコード会社に所属して担当の人もついてたのに、その人は行方不明になってはる。
務めている(らしい)お店にも連絡がつかへん……。
「こっちから電話すんのやめとけ」
吉川にそう忠告され、暫く電話をしない青山。
俯いて、じっと電話を待つ麻美。
小汚い古いアパートの一室。
麻美の部屋にあるズタ袋に詰め込まれた何かが、ぐわぁっ!っと動きよる。
なななななななな、何やねん???
青山は我慢しきれず麻美に電話してしまいはった。
鳴り響く電話のベル。
それまで微動だにせず、彫像のように固まっていた麻美の口元に浮かぶ笑み…ニヤリと…(こわい)。
逢瀬を重ねるごとに、麻美に惹かれていくのですが、それと同時に謎めいた麻美のことをもっと知りたくなります。
麻美の通ってたバレエ教室に行くと、
不気味な車椅子のおっさんと遭遇。
働いてると言われた店は潰れてる。
お店のママはどっか行ってしまったらしい。
そう言えばレコード会社の担当者は行方不明とかいうてたな。
プロポーズをしようかと思ってたけど、なんとなく「何か」を感じる青山。
家でお酒を飲んでたら急に意識がきえ~るきえ~る。
夢と現の境で死んだ嫁が「あの女は、アカン!」言うてくるし。
ズタ袋の中にいる舌を抜かれ指を切断された男が、うあああああ…言いながら迫ってきよるし。
こいつがレコード会社の人なんでっか?
ナニコレユメナノー?
( ゚д゚)ハッ!
意識は戻ったが体が動かへん。
麻美登場!
「体は動けなくしてあるけど、痛みは感じるの、キリキリキリ~」
と注射をします。
舌にぶすっと。
そして針を体中に突き刺していきはる。
キリキリキリ~~~。
なんて楽しそうなんだ!
あ、違う、痛そうなんだ!
恍惚とした表情で、ブスーブスーと針を指していきはるんぇ。
小説のイメージで、勝手にまち針みたいなのをチクチクさしていくのかと思いこんでましたが、鍼治療に使う長くて細い針なんす。
「ここも痛いでしょう~」
あ、おめんたまはやめて、おめんたまは…。
おめんたまにブスーなシーンはありませんでした。
でもまぶたのところで針がプルル~~ンピヨヨ~~ンと揺れてますで。
そして骨でも切れるという細いワイヤーを足首に巻きつけ、
「キリキリキリ~~」
足首がモゲました。
もうダメポ…そんな時息子が帰宅します。
「息子、逃げろ!」
しかし叫ぶことも出来ない青山。
麻美は別の部屋に隠れよる。
帰宅して、オトンが血まみれで足首ちょん切られてヘルレイザーになってたら、どんなプレイやねん?と考えるより「何が起きたんだ、事件か?」と考えるほうがノーマルですね?
そんな一瞬の油断を見て取った麻美が背後から攻撃してきます。
霧吹きみたいな容器に薬を入れてシュッシュッって攻撃。
「何やねん、お前はー」
シュッシュッ!シュッシュッ!(ちょっと笑う)
「俺はアリマキか!」
シュッシュッ!
階段を駆け上がって逃げる息子、追う麻美。
息子は麻美を蹴飛ばします。
麻美は見事に階段から落ちて、ポテチン。
息子は警察に電話して、父親を救うのでした。
麻美は死の間際まで、じっと青山を見つめていました。
ワタシヲアイシテ…。
おしまい
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TSUTAYAにもGEOにもなくて。
こちらも「ぼっけえ、きょうてえ」と同じく密林さんで無料視聴。
痛いのは痛い。
痛いけど。
おめんたまも、いやー、おめんたまに刺されるぅゥゥゥ!じゃないのが…。
そこまでアレか?と。
マダム、気づきました。
お腹や胸より、背骨に刺される方が、しっこちびるほど怖いってことに。
そう、これを観てハワワワワしてる人は、
一回脊髄造影剤注入で、失敗こかれればよいのです。
あの痛みに比べたら…。
キリキリキリ…は、麻美さんの愛のメッセージだったのですね。
幼少の頃より、普通の愛情を注がれなかった麻美さんは、痛みを与えられることすなわち愛情という歪んだ思考で成長してしまいはったんです。
麻美さんにとって「私を愛してる」は「世界の100%を私でいっぱいにして、他のことなんか考えたらアカン」なのですよ。
これ女性の愛ですよね。
女は世界のすべてが愛だけど、
男は世界の一部に愛がある。
でも麻美さんは、独占欲が強すぎると思います。
息子も大事、仕事も大事、いろんなものも大事、君も大事…じゃなく、
そんなものは全部ぽいして愛してクレメンス!
ウザ…あ、重い…あ…愛に殉じるタイプやね。
青山もさー、寂しさに負けて同じ会社の不細工な嬢に手を出して、
そっちはあっさり「スマヌ」で断ち切るのに、
ちょっと綺麗で純真っぽく見せてる女にコロリといてこまされるなんて。
長年男やもめとして生きてきて、何故「眼力」を身につけぬのか?
男って馬鹿!
いい歳して、脇が甘すぎるわ!
そら嫁はんも、あの世で「何しとんじゃおどれはー」って思うって。
色々身勝手な男が、サイコな女に引っかかって痛い思いをします映画。
青山を「アホちゃうか、こいつ」と思ったので、同情ゼロでした。
でも、痛い系の作品が苦手な人は、観ないほうが良いよ~。
マダム、どこまで鬼畜慣れしていくのか、自分でも怖いです…。
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
イメージと観念が交差して、どこからが夢でどこからがホンマかわかんない。
はっきりせんかい!
ただワンコのギャングが可愛そうだったのです。
この子に罪はないやないか!
そんで息子くんが無事だったのは良かった。
あとはねー、お洋服に時代を感じました。
凄いファッションセンスを観た!
そんな気がします。
真っ赤なコートモッファー!モッファー!
ここだけでも観る価値あり(そうなん?)。
殿方が観たらきっと怖いんじゃないかしら。
非力なおなごに自由を拘束されて、
舌に注射撃たれて針刺されて足首切られて…、
でもそれも女を見る眼がないからやんけ!
そういう結論に落ち着いた、ポチ!
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