殺人の追憶(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

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どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

韓国お得意実話映画
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田舎の村で発生する連続婦女殺人事件。
性格の異なる二人の刑事が事件に挑むが、
ついイケメソを応援してしまうですよ?




1980年代の韓国の農村。
ここで女性がイタされた上殺されてしまう事件が発生。


被害者は、
自分の持ち物で腕や足を縛られ、
体内に異物を混入させられてるという、
失敬にも程がある殺し方。


地元警察のパク刑事は、捜査をサボってるわけではないのですが、
現場保持という概念が民衆には無いのか、
現場は踏み荒らされ、遺留品もほぼ見つからない状態。


警察は、少し知的障害のある青年を犯人として捕まえ、
なんとか自供を引き出そうとしますが、
上手く行きません。


ソウルから、敏腕刑事のソ・テユンがやってきます。
彼は、知的障害の青年には犯行は犯せない、と言いその理由も理路整然と唱えます。
ちょっとむっとするパク刑事。


刑事のカンを駆使し古い体質のパク刑事に対し、
理知的で推理力も高いソ刑事。
もちろん、ソ刑事がイケメソです。
今風の韓国のイケメソじゃなくちょっとワイルド系。


犠牲になった女性たちは、
雨の日に、赤い服を着ていたことが分かり、
女性刑事が、おとり捜査をしたりしますが進展はありません。


容疑者らしき人物も次々現れるのですが、
これといった決め手がない。

何しろ現場には、犯人の体毛も残っていないのです。

「ピカラットォォォォ!
犯人はつんつるてん!」

パク刑事が断言しますが、ソ刑事に鼻で笑われます。


怪しい男を見つけ追いかけるパク刑事と、ソ刑事。
しかし男は工場に紛れ込み、どいつが犯人なのかまるでわかりません。
なぜなら皆同じような服装だから。


パク刑事は、従業員たちを観察し、
一人の男のズボンから赤い下着がチラ見していたことで犯人を突き止めます。
その観察眼に、少し彼を見直すソ刑事。



犯人が、犯行の前にある曲をリクエストしていたことが分かり、
ソ刑事はリクエストはがきを探しに行きますが、
そんなもん残してるわけ無いじゃんと冷たく言い放たれ、
手がかりが途絶えました。

そうこうしてる間に、犠牲者は増えていくばかり。


ソ刑事は女子学生とふとしたことで知り合い、
トイレに男が潜んでるという都市伝説を聞きます。
この話から、ソ刑事は、一人の女性の存在を知ることに。


彼女は襲われたものの、命は助かっていたのです。
それはなぜか、ずっと目を閉じてて犯人の顔を見ていないから。
「でも、犯人の手は、とても柔らかかった…女の手のように」という証言を得ることが出来ました。


今犯人とされている男は、柔らかい手の持ち主ではない。
別に犯人がいる。

そこで目をつけられたのが、工場で働いている若い男。
イケメソ。
彼がこの工場で働き始めてから犯行も起こっている…。
怪しい!



そんな時、ようやく犯人のものと思われる体液が発見され、
新たな容疑者とのDNAと照らし合わせることになりますが、
DNA鑑定は韓国では出来ないので、アメリカに送ることに。


最初に犯人にされかけた知的障害の彼が、
犯人の顔を見ていたのではないかと推理した刑事たちは、彼を尋ねるものの、
ものすごく傷めつけられたため恐怖心を持っている彼は、刑事から逃げまくった挙句、
列車に跳ねられて死亡。



怪しい容疑者を尾行していたら、ちょっとした隙を突いて、容疑者に逃げられ、
その時また事件が起こります。
今度の犠牲者は、ソ刑事に情報を教えてくれた女学生でした。
彼女の体内あら、
文房具やフォークなどが出てきます。

ソ刑事は、身内に湧き上がる粗暴な感情を抑えることができなくなっていました。

ソ刑事は容疑者に掴みかかり、殴り倒します。
その時DNA鑑定の結果が届くのですがその結果は、
「DNAは一致しない」


呆然とするソ刑事。
そこへ列車がやってきて、
パク刑事によりソ刑事と容疑者はなんとか助かりますが、
DNA鑑定の証拠用紙は、列車に酔って散り散りに引き裂かれてしまうのです。


感情を露わにし、獰猛に容疑者をお追い詰めるソ刑事を、
パク刑事が静止します。
そして容疑者は、そのまま逃げてしまうのでした。


何年かの後。
パク刑事は、刑事を辞め会社員として、すっかり普通の生活を送っていました。
たまたま通りがかった、犯行現場。
彼は車を停め、
その現場に立ち寄ります。


そこへ一人の少女がやってきて、
「おじさんの前にも、ここを見に来ていた人がいたわ」
パクはそれが犯人だとピンときます。

「顔は見たのかい?」
「見たわ、えっと…普通の顔よ」

犯人は見事に逃げおおせたのでした…。

     おしまい


ポン・ジュノ監督はキックが好き。

現場のカンを頼りに叩き上げのパク刑事。
どちらかと言うと粗暴で、やる気も見せない時もある。

部下は、何かというと飛び蹴りをかまし、容疑者なんか人じゃねーわ、という傲慢で上にはペコペコ、したには威張り散らすやつですが、
根本的には悪い人じゃないから憎めない奴。
でもなんか足を切断しなくちゃいけない怪我をしちゃうんですよね~。


対してソ刑事は大学を出たエリート。
英語も読めるし、書類は嘘をつかないがモットーで、推理と知力と行動力で、どちらかと言えば冷静なタイプ。

なのにどんどんソ刑事が粗暴になっていき、
パク刑事がそれをなだめる場面も出てきたり。


この逆転の構図はすごく面白いです。

女学生とパク刑事の彼女さんがすれ違い、
女学生が犠牲になるシーン。
ここも秀逸。


向こうの警察の、
「まず犯人逮捕在りき、動機とかそんなん後からなんとでも出来る」的なのがコワイですよ。


そしてこれ。
犯人が捕まらないまま…なわけですよ。

事件が起こったのが1980年代…。
30年以上経ってるけど、
犯人は素知らぬ顔で人混みに紛れて生きてるかもなんですよね。
コワイなぁ。



さて、小説バージョンでは、
ラストシーン。
「普通の顔…だって私のお父さんだから」
ってなるそうです。

何普通の生活してるんですかっ!
怖っ、
なにそれ怖っ!!

2003年の映画なので少し古いですが、
観て損はないと思います。

面白かったですよ!


しかし「殺人の~~~」「母なる~~~」と、似たようなタイトルが多いので、
これ観たっけ?と、なってしまうので、
タイトルには気をつけていただきたいものですな。

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