白ゆき姫殺人事件(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

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どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

マンマローがTwitterになってはる!
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美人!性格良い!出来る女!
…が殺されはった。
こりゃもう、特ダネ狙うっきゃないっしょ?




化粧品会社勤務の美人OL、三木典子が「しぐれ谷」で殺されましたのお知らせ。
めった刺しにされた上に焼かれるという悲惨な最後。
後の「しぐれ谷OL殺人事件」であるっす。


報道局の下請けで食いつないでいる赤星は、
高校の同級生、狩野里沙子から、この情報をゲット。

Twitterで食べレポをつぶやいてたけど、
そんなもん後回しじゃ!と、里沙子にインタビューします。


赤星は、
犠牲者の三木典子が、
里沙子に取っては良き先輩&オサレで美人で有能で性格も面倒見の良いマドンナだったと教えられます。
勤務先の発売している「白ゆき石鹸」が爆発的ブームになっていることから、
「白ゆき姫殺人事件」
と、赤星がTwitter上で命名。


里沙子から、典子の同僚「Sさん」が怪しいと聞かされる赤星。


里沙子だけでなく、他の同僚からも話を聞くと、
「殺された日に典子が、その同僚の車に乗リ込む姿が目撃されている」
「東京行きの特急に大慌てで駆け込んでいる姿が目撃されている」
「典子とSさんの彼氏が付き合っていた」
などの証言が!!


もうこりゃ、Sさん犯人やんけ!
同期は怨恨と嫉妬!!
とばかりに、
赤星は「Sさん犯人」説に傾き、
その方向でTwitterにもカキコ。
テレビのワイドショーでも報道。


ところが「Sさん」の親友という女性が、
Twitter上で彼女を弁護するものの名前を暴露。


Sさん=城野美姫は、犯人確定の様相で報道の渦中に放り込まれるのでした。


城野美姫の過去を探る赤星は、
彼女がかつて、近所の祠を燃やした事実や、
同級生に呪いをかけた…という噂を聞き出します。


ですが、美姫野小学校時代の親友、
現在ひきこもり道邁進中・夕子は、赤星に「人は自分に都合のいいことしか覚えていない」と言い切ります。




美姫が行方不明なのをいい事に、
マスコミもネットも煽る煽る。


その頃美姫は、ビジネスホテルの一室にいました。
犯人呼ばわりされ、ネットでは叩かれ、
美姫は絶望し、全てを記したあと自殺しようとするのです。


美姫の目で見た世界は、
同じ事実ながら、他人が伝えたものとは一変したものになります。


マドンナ典子は、鼻持ちならない女でした。
他者を翻弄し、
自分が一番でないと許せない、
とにかくいけ好かない女!!


そんな女に、彼氏を奪われ、
唯一心の拠り所にしていた芹沢ブラザーズというミュージシャンへの思いも踏みにじられ、

ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!となりますが面と向かって文句は言えない。


後輩里沙子のお陰で芹沢ブラザーズのコンサートに行けたのはいいのですが、
彼らを見て興奮した美姫は、
人混みに押されはずみでブラザーズを階段から突き落としてしまう羽目に。


エライコッチャ!と、その場を逃走し、
ビジネスホテルに逃げ込んだら、
なんかしらんけど殺人犯になってたというね。


もう思い残すこともないし、自殺だし…、
レッツ自殺、その時、真犯人が捕まった!


真犯人は、何と後輩の里沙子でした!

里沙子は典子に散々嫌な目に合わされ、
白ゆき石鹸をポッポナイナイ(盗み)したことを知られ、
鬱憤アップで、もう殺すしか無いね、
犯人は美姫にしちゃえ、
…と、赤星を利用し捜査の撹乱を図ったのでした。


うかうかとその策略にハマった赤星。
ネットは一挙に美姫擁護、赤星糾弾の流れに。



赤星は全てを失い失意のどん底。
美姫は、夕子の友情に支えられ、新しい日々を歩き出すのでした。

     おしまい



評価が真っ二つ!

原作も評価が別れてましたね。
面白いと思ったんだけどなぁ、アテクシは。



原作にそれなりに忠実に作られています。
赤星がライター(原作)からマスコミ関係(映画)に変わったのは、映像化したらソッチの方が分かりやすいからでしょう。


マイナス評価をした方は、
女のドロリとした、感覚がお嫌だったのか、
もっとミステリアスなものを期待してらしたのか、
はたまた、全然解決してへん部分があるやんけ!そこはどないやねん?と思われたのか。



最後の疑問は、アテクシも感じました。
・里沙子はどうやって美姫の車をコインパーキングから出したのか?キーは??
・芹沢ブラザース突き落とし事件は有耶無耶のままやんけ!

ここが特に?と感じた部分。


典子が嫌な女というのは、
早々にわかります。
この手のタイプに善人はおらん。
おばちゃん、断言するわ!

おばちゃんの眼力なめたらあかんでぇ!


井上真央ちゃんが、あの可愛い井上真央ちゃんが、
大久保さんみたいな顔で!熱演!!

美姫にとって一番の美人が夕子ちゃん→貫地谷しほり!ええええっ!

綾野剛はこういう駄目男のほうが、向いてる気がする…。


この映画で最も最低人サルマタな人、
それは小学校の夕子と美姫の担任の先生。
夕子と美姫は名前のことで散々バカにされ、
それを先生も受け入れたことで公認になってしまった…。
そんな罪作りなことをしていたあの先生を糾弾せよ!


この映画のキモは、
・ネット冤罪、マスコミ冤罪
・糾弾したネットやマスコミの掌返し=責任を感じてない垂れ流し情報
・人の評価は当てにならぬ
・子供の名前をつけるときには、気をつけよ

ですね。


ひきこもりの夕子が、美姫にメッセージ(何ともオトメティック)を送り、
美姫もそれに応える。

一見ハッピーエンドのように見えるラスト。

謝罪するも剣もほろに追い返され、悄然とした赤星。
彼の前に、颯爽と車で現れ「いいことありますよ」と告げ去っていく美姫。


ここで、キーワードの一つを思い出してみましょう。
・人は自分に都合のいいことしか思い出さない


そう。
美姫の美姫視線による「事実」もまた、
歪んだものかもしれないのです。


ハンドルを握ると豹変する美姫の姿も描かれていることから、
美姫の心の中には、タガが外れると暴走する部分が存在することがわかります。


想像力と獰猛な感情が合致した時、
美姫がどうしたのか。


取ってつけたようなラストが、
何とも不自然。

あまり考えずともサクっと観ることが出来る映画に仕上がっております。
深読みすれば、
そこは…まぁいろいろ。

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