共喰い(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

映画でもどうどす?

映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

人によっては、あんまり楽しくない映画。
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最低人オトンの血を引く高校生を取り巻く、
実のオカン、
オトンの愛人、
彼女、
謎の女。


昭和63年。
ろくでなしのオトンと、
その愛人と一緒に暮らす高校生の遠馬。



オトン・円は、ちょっとアレな人で、
エッティの時に殴りながら行為に及ばないと興奮しないという困った性癖の持ち主。
愛人の琴子は、
いつも顔に痣を作りながら仕事に出かけます。


実のオカン・仁子は、それが嫌で逃げた人。
川のそばで魚屋をしてます。
ちなみに左手にはサイコガンが仕込まれて…じゃなく義手です。



お腹の中に遠馬の弟か妹がいたけれど、
あいつの血を引く子供を残したくなかったから…と言う理由で、
二人目を処分した経歴を持ち、
その話を遠馬にもします。

どんだけオトンが嫌いかを伝えてるわけです。


遠馬には千種という彼女がいますが、
高校生の分際で、もうやることはやってけつかります。



遠馬は自分がいつかオトンと同じことをするのでは?と怯えちょるのですが、
怯えててもやることはやる!そういう奴。


町のアパートには正体不明の娼婦が住んでいます。
気怠げなその女の元へ、オトンは通ってる様子。



琴子から「オトンの子を妊娠した」と告げられた遠馬は、
不機嫌に。


不機嫌を紛らわせるため、千種と致そうとしたら、
思わず千種の首を絞めてしまい、
「オメーはあほんだらか!」と怒られ、
会ってもらえなくなります。


当たり前です。


千種のことを想いながら(結局したいだけ)風呂場で悶々とする遠馬。

琴子は、子どもと自分を守るため、オトンの元から逃げ出します。


千種と仲直りできないまま、遠馬は持て余すエッティパワーを押さえるため、
娼婦の元を訪ね、
代金を父親のツケにしてもらいますが、
当然そんなことしてるんだからオトンの耳に入りますわな。


オトンに「儂等の子供をあの女に産ませようやないか~~い」と言われ、
自己嫌悪感でイッパイイッパイだった遠馬は、
「琴子さんは、出て行ったわ」
とぶちまけてしまいます。


オトンは狂ったかのように琴子を探しました。

祭りの日、
境内で待ってるといった千種。

しかし遠馬は、祭りにも境内にも行きません。
そこへ子どもたちが大挙して押し寄せ、
千種に何かが起こったことを察知した遠馬が駆けつけると、
千種がぼろぼろになり倒れていました。



オトンが、やらかしやがったのです。

殺意を抱く遠馬。
そのことを知った仁子は包丁でオトンを刺し、
警察に囚われます。



琴子を尋ねた遠馬は、そのままなだれ込みますが、
胎動にビックリ。
琴子は大喜び。


遠馬が故郷に帰ると、千種が仁子の魚屋を継いでいました。


昭和天皇が崩御され、
一つの時代が終わりを告げます。

           おしまい



重苦しい映画。
残酷シーンより、エッティシーンでR-15。

オトンのダメっぷりは、特筆モノ。
ケダモノです。



その息子遠馬も、色々悩んでる割には、
頭の中はエッティだけという、
当たり前といえば当たり前なんですけどね、若いし。



ダメな男陣に比較して、
女性陣は強くしなやか。


魚屋を切り盛りしてる仁子さんも、
オトンの子を孕む琴子さんも、
そして千種も。

皆が皆聖母のよう。
町の娼婦でさえ、聖母。

遠馬にとっての聖母。
何をしても結局は受け入れてくれ、守ってくれる。
なにそれ、理想?希望?


仁子さんは、琴子や千種のことも心配するできた人だし、
琴子はなさぬ仲の遠馬にも優しく接してくれる出来た人だし、
千種も頼りない脳内エロまみれの遠馬に寄り添ってくれる出来た人。



そして皆がタフ。
義手で魚を下ろす仁子。
オトンから逃げる琴子。
オトンに乱暴されても、泣き喚きもせず、
「もう駄目かと思ったけどなんとかなるもんやね」
と嗤う千種。


この強靭でしなやかな女性陣にぶら下がってる、
遠馬。


なのに遠馬は成長の跡も見られずで、
また千種の尻に敷かれて大人になって行くんかいな?
オトンを反面教師として、
真っ当な人生を歩もうと思わんのかいな?
とイライラ。


マザコンのマザコンによる、マザコンドリーム映画にしか思えませんでした。


自己解決せず、
あまりにも何もかもを女性陣に投げっぱなしにするの、
やめて頂けるかしら?

マザコンが悪いとは言いませんけど、
マザコンでもへなちょこでも、
ちったぁ成長しろや!


え?成長してるんでっか?
これで?

映画としては、きちんとしてるし、
飽きること無く観ることが出来ます。
お子様と一緒に…は無理です。
一人で観ることをオススメいたします…な映画。



でも、このもやもやは何なのでしょう?
殿方が観たら、何とも思わないかもですが、
女性が観たら、
何ぞー?
になる。

そういう作品。
エッティシーン多し。


原作未読なので、比較はできませんが、
原作を読みたくなるような話ではなかった…。
田中裕子さんの素晴らしさは際立ってました。
他の人も頑張ってた。
若手も頑張ってた、
まさに体当たり。


故に余計に、
甘えるなヴォケ!って気になるんよ。
そんなチミの理想の女性像を押し付けられてもなぁ…。
なんか厭やわ。

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