- バイロケーション DVD スタンダード・エディション/水川あさみ,千賀健永,高田翔
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私がもう一人いる!
もう一人の「私」
私の代わりに部屋の掃除しといてー。
!!ご注意ください。ネタバレしています。
ネタバを知らないほうが楽しめます!!
絵描きの桐村忍は、コンクールを目指してひたすら絵を描きまくっていた。
何もかも捨て、絵を描くことだけに意識を集中。
そんな忍の真下の部屋に高村が越してきて、挨拶にやって来る…。
これが縁で高村と忍は結婚。
もともと住んでいた上の階の部屋はアトリエに。
生活の拠点は高村のいる下の部屋にと置き、
高村の親に反対されながらも、平穏な新婚生活を送っていた。
ある日忍は、立ち寄ったスーパーで「偽札を使った」と捕まってしまう。
見せられた防犯カメラには、自分と瓜二つの人間が、買い物をしている姿が映っているではないか。
「ナンノコッチャーー!」な忍は、
刑事の加納に連行され、ある場所へと誘われる。
そこは、
「自分と全く同じ、もうひとりの自分」
に、大変迷惑を被っている、
「バイロケーション被害者の会」の集会所であった。
バイロケーション、通称バイロケは、
オリジナルと同じ記憶と経験値を持ち、
指紋も何もかもオリジナルと同じ、
ただし、長距離離れていると消える、鏡には映らない…という特徴を持っている。
また、バイロケの記憶はオリジナルには共有されることはない。
何よりも、
オリジナルより凶暴らしい。
バイロケのせいで色々被害を被っているメンバーたち。
加納は、バイロケが上司を半殺しにしてしまったため、
出世の道を閉ざされたらしく、
バイロケに非常な憎しみを持っていた。
他のメンバーたちも、その思いは同じ。
加納のバイロケが襲撃してきたので、
メンバーたちはバイロケを殺そうとするが、
「どっちがどっちやねん?」となり、
誤ってオリジナルを撃ち殺してしまったまぁ困った。
御手洗がバイロケに襲撃され、
被害者の会のリーダー飯塚に連絡するのだが、
「落ち着け」「攻撃してはならない」
と言われるのみ。
不信感を抱くメンバーたち…。
門倉は、バイロケが重病の子供を連れ回していることに怒り、
子供に鏡を手渡す。
「この鏡に映っているのが、本当のお母さん」
門倉が子供を看病していると、もう一人の門倉がやってくる。
子供を連れ、逃げ出した門倉だが、
子供から「鏡に映っていない偽物だ」と指摘されショーック。
バイロケはオリジナルの心や経験値をそのままとり込むので、
オリジナル以上にオリジナルの感情を強く受けてしまう。
門倉オリジナルは子供の看病に疲れ果て、その手にかけようとしたことがあり、
自制心がバイロケを生み出してしまう。
だが、バイロケは、自分のほうが子供を強く愛していることを自覚。
バイロケは、門倉オリジナルを刺殺。
忍もまたバイロケに襲撃される恐怖に襲われる。
バイロケは鏡に映らない…忍は鏡で自らの姿を確認するが、
ちゃんと鏡に映ってたよぅ。
精神的に疲労困憊の忍。
忍は、同じ会のメンバー、加賀美から、
「あなたが望むものは画家としても名声か、高村との愛か」
と問われ、迷うこと無く高村との愛と答える。
加賀美は、すべての謎は、飯塚の亡くなった妻が握っている、と言い、
飯塚の妻の墓に忍を連れて行く。
加賀美の存在。
メンバーの名前を読み上げるオリジナルの確認方法。
飯塚にはバイロケはいない。
それらのことから、忍は理解する。
画家であることを捨てる決意をした忍は、
最後に絵を仕上げコンクールに応募。
その絵が入選し、喜び勇んで会場に行く忍だが、
対象の絵は自分が描いたものではなく、
受賞者名も「桐村忍」ではなく「高村忍」となっていた。
「誰よ、高村忍って!!」激しく動揺する桐村忍。
桐村忍(オリジナル)は、画家であることを捨てられず、ずっと絵を描いていた。
高村が引越しの挨拶に来た時もオリジナルは、出て行かなかった。
だが、焦燥感や孤独感から、バイロケ忍を生み出してしまう。
バイロケ忍は、高村と出会い、恋に落ち家庭を持った。
バイロケは、鏡に映らない。
それは第三者が見た場合に限り、
バイロケ自身はオリジナルであるとの思いが強すぎて、鏡に映し出される自分を見つけてしまう。
高村忍もまた、自分をオリジナルと思い込んだバイロケであったのだ。
飯塚はオリジナルだけでなくバイロケもあの秘密の館に集めていた。
その時に、オリジナルの部屋にはおらず、
バイロケの部屋にだけいたのが加賀美。
メンバーの名前を言う時に、加賀美の存在を知っているかいないかで、
オリジナルとバイロケの区別をしていたのだ。
バイロケ忍は、
「自分が得た画家の名声も何もかも、オリジナルに譲る。
自分は消える。
だけど、高村を愛してほしい」
と願うが、オリジナル忍は、納得出来ない。
オリジナル忍は、バイロケの気持ちを汲むことも出来ず、
投身自殺。
バイロケである忍も、消えていく。高村を残して…。
おしまい
絵を描くことだけを選び、全てを捨て去ったオリジナル。
絵を二の次にして、高村を選んだバイロケ。
その結果、絵でもバイロケがオリジナルを上回ってしまうという皮肉。
同一個体でも環境により、
将来や感情や才能に差異が現れる。
バイロケが作ったレールを「会ったこともない男(オリジナルは高村を知らないもんね)と結婚しろっていうの?」と頑なに拒むオリジナル。
同じ記憶を持ち同じ感性なんだから、
会えば高村のことも好きになるに違いないやんと思うのに、
それが出来ない、オリジナル忍の狭い生き方が産んだ悲劇なんでしょうか。
門倉オリジナルをバイロケが殺すシーン。
オリジナルが死んでしまえば、バイロケも消えるやん、
なぜ子供のことを考えないのよぅ。
残されて困るのは子供じゃないの。
加納がくんずほぐれつでオリジナルVSバイロケで戦ってる時、
鏡を使えば一発じゃん!と思ったけど、
加納オリジナルを殺さないとバイロケも消えない。
加納バイロケは、あまりにも「暴力的で残虐」。
つまり加納がいる限り、他のメンバーに危害が及ぶ。
加納、殺しちゃっていいよね、ということだったのかしら?
御手洗のバイロケが「オリジナル、殺したらぁ」と出てきて、
なぜ破滅の道を歩むんだろう?と思ってたら、
あっさり手を組んで、飯塚を殺すのが?????
ちなみに飯塚は、嫁ちゃんがバイロケ。
病気で外界と接触のない女性の、
外界に対するあこがれが生み出したバイロケ。
自分は病気なのに、バイロケは…(#・∀・)キィィ!となったオリジナルが自殺し、バイロケ妻も消滅。
そんな過去を飯塚は持っていたので、
忍には、万全の注意を払ってたんでしょうね。
でも、加賀美くんの顔の傷とか、
あんな狭い部屋でバイロケが出てきたら、いくら忍でも気づくやろ?とか、
分かんないとこもありますが、
一番分かんないのは、
なんでこれを「ホラー映画」としてしまったんだろう、ということです。
とりあえずホラー要素の強いバイロケの眼。
原作がホラー小説(一応)なのですが、
はっきりいうとミステリ。
オリジナルとバイロケを巧く入れ替えミスリードさせるミステリ。
でも、バイロケのほうが良く出来た人格だった忍…、
オリジナルが、気の毒すぎるかも。
ちなみにもうひとつのバージョンでは、
オリジナルは自殺するものの、
バイロケはとある事情で消滅せず、
バイロケこそオリジナルになるという、
オリジナルが浮かばれないにも程がある、
超バッドエンドです。
ハッピーエンドという人もいますが、オリジナルからしたら『乗っ取り』ですやん、ポチ
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