- 木下惠介生誕100年 「カルメン故郷に帰る」 [DVD]/高峰秀子,小林トシ子,井川邦子
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友人を連れて故郷に帰って来たことで沸き起こる様々な出来事。
高峰秀子さんがキュートで美しい!
ららら、カルメ~~~ン、カルメ~~~ン♪若い子はどっちも知らんか。
リリィ・カルメンが、故郷に錦を飾りに凱旋帰郷。
友達の、マヤ朱美も一緒です。
のどかな田舎の村に、突然現れたリリィとマヤは、注目の的!
「アタイたちはゲージュツを演じてるんだよ」
と、ストリッパーであることを何ら恥じていない、むしろ誇りに思ってるリリィたち。
東京の風に当たり、モダンでハイカラな彼女たちの行く所、人の絶えること無し。
飽きっぽいマヤは、彼氏にふられたSHOCKで田舎行きに同行したものの、
着いた翌日には「かえろっかな~~」と言い出す始末。
それでも、当時としてはエロいスリットの入ったワンピースを小粋に着こなし、村を練り歩くリリィたち。
マヤは小学校の若先生、小川先生(佐田啓二ですっ!!!)に一目惚れ。
猛烈なアタックをかけます。
リリィは昔好きだった田口春雄(佐野周二ーーっ!)としみじみ話したりしてます。
春雄は、戦争に行き盲目になってしまった為、今は妻が稼いでいる貧乏状態。
糟糠の妻の稼ぎだけでは暮らしが成り立たず、金貸しの丸十から借金しちゃったため、唯一の生きる希望だったオルガンを取られるという悲劇。
小学校の大運動会。
春雄が万感の思いを込めて演奏している中で、マヤがハプニングをおこし会場は笑いの渦に。
目の見えない春雄は、自分が笑われたのかと演奏をやめてしまいます。
校長(笠智衆ーーー)やリリィ、小川先生に「もう一度演奏して下さい」と懇願されても、春雄はそれを突っぱね、傷心で立ち去り~。
凹むリリィとマヤですが、草原で得意の踊りを踊って気分をアップ。
その踊りの噂を聞いた丸十が、村でストリップ興行をすることを持ちかけ、
みんなが元気になるのなら!とリリィは応じちゃったのでした。
リリィの父親は、可愛い娘が「裸踊り」をするのが辛くてたまりません。
男泣きに泣いています。
小さいころ牛に頭を蹴られてオツムがちょっとアレになってしまった…と号泣。
そしてストリップが開催され、村のみんなは大興奮。
リリィとマヤは全力で踊ります。
ストリップの収益を父親に渡したリリィ。
でも、父親はそのお金を校長に預け、
校長は、
「この村から本当の芸術家が出てくるために使おう、
そして春雄の借金も返そう」
と言うのでした。
丸十に取り上げられていた春雄のオルガンも、
「しゃーないなぁ、返したるわ」
と返してもらうことに。
ハッピー、みんなハッピー。
リリィとマヤは、汽車に乗って東京に向かうのでした。
笑顔を振りまきながら。
嗚呼、美なる女神に乾杯!!
おしまい
デジタル・リマスター版。
日本初の「総天然色映画」なので苦労もあったそうです。
原色ばっちりの色使い&画面のざらつき具合が、スペイン映画っぽいです。
いまどきのクールな彩度低め設定の映画を見慣れてると、うわぁ!となるかも。
当時の作品では当たり前だった差別用語も、そのまま使っています。
でも、この人達の言う「差別用語」に、決して差別的な意味は無いように思えるんです。
そういう言葉を使っていても、ぶっきらぼうに気遣いをしている。
リリィの父親が「自分が裸で笑われるより、村の連中が娘の裸を観ているのかと思うと辛い」と泣きますが、無口で愛想のないお父さんの気持ちが伝わってきて、じーーーんときましたよ。
当時の「貞操観念」が、今とは全然違うので、
その辺、若い人には身を切られるような父親の苦悩は分からんかも…。
高峰秀子様は、奔放で、明るくて、賢くはないけれど、大らかで前向きな女性・リリィにぴったりでした。
今の作りこまれた美人顔じゃない、
素材の美しさ!
痩せぎすではない、少しぽっちゃりなんだけど、抜群の姿勢のよさでナイスバディに見える秀子マジック。
この、疾風レディ・カルメン役の方が二十四の瞳で先生もやってらしたなんてェェ!
リリィの蓮っ葉な「ちっくしょー。てやんでぃ!」も可愛いけど、
大石先生の清潔さも好きだ。
そして佐田啓二!こんなもったいない使い方…。
観る機会がなかった方。
これを気にご覧になってはいかがでしょう。
あの時代の、雰囲気がすごく良くわかります。
リリィのお姉ちゃんが、俗人ですごく良かったです。
「高島屋の服よ!」と言いふらしたり、
最後まで、リリィとマヤに憧れの視線を送って、父親との緩衝材にもなっててくれたし。
リリィとマヤのファッションにも、
注目ですぞ!
高峰秀子様のピン!と背筋の伸びた歩き方は、スタァでございます。ポチ
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