悪魔の手毬唄(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

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映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

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鬼首村に湯治に来た金田一です。
磯川警部に上手く嵌められて過去の事件を蒸し返すことになりました。
よし、判った!!



映画だけでなく小説のネタバレもしてます!
気をつけて下さい!!



岡山の山間部にある鬼首村。
ここは由良家と仁礼家の二大勢力下にありました。
由良家の娘泰子は、村のロメオこと青山歌名雄と恋仲。

湯治場、亀の湯を女手ひとつで切り盛りしていた歌名雄のママン青山リカ。
彼女の夫は昔、村に一悶着を巻き起こした恩田という男に殺害され、
恩田はそのまま行方不明になっているのです。
その恩田の娘で、酷い仕打ちを受けて村から出て行った千恵が大スタァになって凱旋帰村。


元庄屋で今は没落している放庵と知り合った金田一。
「元カノが来てくれるんじゃよねー」と浮かれ気味の放庵。
金田一は峠を超えてくる老婆「おはん」とすれ違います。

しかし放庵は行方不明になり、
泰子は奇妙な見立てをされて殺されたー。


「にっちもさっちもどっちもブルドック、ギャ~!」とパニックな歌名雄。
「ホントは好きだったの」と迫る仁礼の娘文子。

しかし文子もまた、見立て殺人の犠牲に…。

村に伝わる手毬唄。
金田一はこの現在進行形の事件と、過去の恩田が起こした殺人につながりがあるのではと推理。

もたもたしてるうちに第三の犠牲者が出たよぅ、
リカの娘、里子までが毒牙に…!


もしかして、疫病神って歌名雄?

実は!
恩田=リカの旦那でした。
リカが、恩田の浮気やら何やら色々あって激情に駆られ、KILL。
それを放庵に恐喝されトホホ、いずれKILL!
年月が流れ歌名雄がモテモテになるけど、泰子も文子も実は恩田=旦那の子供。
腹違いの兄妹で乳繰り合うなんてアカン、KILL!
しかも本妻である自分の娘は、顔や身体に大きな痣があるのに、
愛人の子は美人揃い…KILL!!


こうしてみんな殺されてから事件な解決し、
金田一は、磯川警部に
「あなたはリカのことを愛していたのですね」
と聞くのですが、
その声は汽笛に消されるのです。
「そうじゃ」と言う駅名がアップになり…。

     おしまい



ああ、青春の甘酸っぱい記憶よ。
男はいつまでもロマンティスト。
女はいつだって現実主義者。



ミステリとしては「獄門島」の方が優れてると思うのですが、
戦後の風俗小説と言う意味合いも込めれば「悪魔の手毬唄」の方が上です。

ただ、映画は原作と違う部分が多いです。
まず、おはん。
鬼首といえばおりんだろう!と思うほど鬼首おりんがポピュラーになってるのに、おはん。
誰それ?


季節も変わってるし、
千恵も「大空ゆかり」と言う芸名の大スタァですが、
映画では千恵のまま。

手毬唄を教えてくれるばあちゃんも、
自分とこの孫娘が死んだからわざと、一部しか教えてくれなかった…というエピソードが削られてるし、
庄屋の部分も抜けてます。

リカも原作と違って足掻きません。

あの長い小説を映画にしなくちゃならないんだから、カットする場所も多いでしょうが、
歌名雄が青年団のリーダーとして、
泰子と里子の敵!!と、
不審なババァを追い詰め、沼に落ちたババァの顔を観たら母親だった…という辛さは、
映画ではさらっと流れてた気がします。

だから歌名雄と千恵の絡みもない。



千恵のマネージャーが、歌名雄を東京に連れて行って歌手か役者にする…という、
すっかり縁を切って一から出直すリセット設定がなくなって、
磯川警部が引き取ることになっちゃいました。


あと、
手毬唄は断然テレビバージョンの方が良い!
あたしゃ、今でもテレビバージョンはフルで歌えますぞ。

しかし、
しかしながら役者は巧い!!
さすがです。
いまどきの薄っぺらい役者の演技とは比べ物にならない。
歌名雄、ブルドック北公次は、まぁ…こんなもんかな?ですけどね。


中でも、文子の本当の母親・咲枝を演じた白石加代子は、
怖いくらいの熱演!
狂気の一歩手前ですよ…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル



もちろん、良し!判った!の加藤武も、出てますよ‐。
サービス配役?

それにしても、ちょっとなんか言われたらセクハラと大騒ぎしてる現代からしたら、
「わしの布団が敷いてない!」(長男の嫁に布団敷かせろやの意味合い)と怒りの電話をする仁礼嘉平の絶対君主っぷりがすげーです。

そして村の主な家の嫁やら嬢ちゃんやらに手をつけまくる恩田ことリカの旦那は、
どんだけモテモテ王国を築いてたんじゃろうと、
ある意味感心しきり。

そして見事に全員同い年の女子を誕生させるとは、
スナイパーですな!!←何のだよ…


古い映画ですが、
その古さがまたたまらない魅力になっています。
若いころの仁科亜季子、可愛い♡
でもこの映画の影のヒロインは、
亀の湯のお幹さんだよね!

岸恵子さん(パリのおばさま←みんな知らんやろな…)綺麗すぎる…ポチ
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