ビザンチウム(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

映画でもどうどす?

映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

美少女吸血鬼…もう…はかなげで可憐で…惚れるわ!
ビザンチウム [DVD]/シアーシャ・ローナン,ジェマ・アータートン,サム・ライリー
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200年の長きに渡り、密やかに生きているヴァンパイア二人。
クララとエレノア。
クララはエレノアを養うため体を張っています。
エレノアは、もう生きることに倦み疲れています。
アア、ソレデモワタシタチハ、イキテイカネバナラナイ。アイノタメニ。



ハイティーンに見えるエレノアは実は200年生きているヴァンパイア。
彼女は、もう余命幾ばくもない…生きる縁もないお年寄りに、
安らかな眠りを与え、血をもらいます。

命の炎が燃えている人からは、決して血を奪わない。
それがエレノアの矜恃。


クララは、エレノアの姉と称してますが実は母。
生きていくためにストリッパーをしたり売春したり、汚れ仕事は全部引き受けてる感じ。


ヴァンパイアの「組織」から狙われている二人は、
町から町へと移動し、こっそりと隠れながら生きています。


ある街でノエルという気のいい男と知り合ったクララ。
彼女は過去の経験を活かし、ノエルの母が残した遺産、ホテル・ビザンチウムを売春宿にしてしまいました。
クララに心底惚れてるノエルは、そのことをとても心配してます。

同じ町でエレノアは、フランクに出会います。
彼は白血病で、高額な医療費のため、保険制度のしっかりしているこの街にやってきた…、
つまり二人は「よそ者」同士なのでした。
互いに惹かれ合いながらも、距離を詰められない二人。


エレノアは、秘密を知られたら殺さねばならないという一族の掟を破り、
小説仕立てにした文を綴り、フランクに自分の正体を明かすことに。

しかし、信じられないフランクは、その手記を教師に見せてしまいます。

そのことを知ったクララは、フランクを殺さねばならない、と出ていきます。
やめてほしいと泣いて懇願するエレノアですが、エレベーターに閉じ込められてしまいます。
クララに対し「そろそろ子離れしなさい」的なことを言い、エレノアの自立に好意的だったノエルは、エレノアを助けようとし、事故死してしまうのでした。


エレベーターに閉じ込められたエレノアを助けた警察官。
ところがこの警察官こそ、エレノアとクララを追い続け殺そうとしていた組織のものだったのです。


もうずっと昔…。
クララは一人の兵士に拐かされ売春宿に連れ去られてしまいます。
清らかな花は、踏みにじられ穢されていくのです。
そこで肺を病んだクララは、かつて自分を救ってくれようとしたダーヴェルが不死となりこの世に蘇ったことを知ってしまいます。
不死の秘密を知ったクララは、残された命を賭けてその「秘密の洞窟」に辿り着き、永遠の命を得るのでした。魂と引き換えに…。

クララは売春宿の掟に背き娘を産み、殺さず生かしました。
その娘エレノアが、生かすために預けた孤児院で陵辱されたことから、永遠の時を二人で生きていくべきだ(自分の庇護が必要である、そのためには同じ時間を生きねばならない)と悟り、ヴァンパイアにしてしまいます。
これが「女ごときがヴァンパイアを創造しては、ならぬー」と追われる一因に。


組織が何故二人を追っているか。
「高潔であるヴンパイアは男しかなったらアカンねん!」
「売春婦風情がヴァンパイアになろうなんて、ふてぇアマだ!」
「その上、女のくせに、女ヴァンパイアを創造するとは、何たる暴挙か!」
「掟破りも甚だしい」→死刑


な…なんという男尊女卑!!

で、追手の二人組のうち一人があの、ちょっとだけいい人と思ったダーヴェルだったのです。

エレノアを奪取するため戦うクララ。
しかし二人に一人では、なかなか勝ち目もありません。
「今夜お前は消えるのだ」
断罪の刃を振りかざす狩人A。(名前知らん)

もうダメ!と覚悟したら、なんとあのダーヴェルが、狩人Aを斬首し、クララを助けてくれたじゃないの!!

男なんか信じない、男なんか餌よ!
私に必要なのはエレノアだけ。
私を必要としてるのもエレノアだけ。
そんな頑ななクララの固く閉まった心の扉が開く瞬間。



クララはようやくエレノアから子離れできたのです。
ダーヴェルというパートナーを得て、永遠の時を彷徨うであろうクララ。

そしてエレノアは、もう命の炎が消えかけているフランクをヴァンパイアとして蘇らせるのです。

母と娘は、
決して明るくはないけれど孤独ではない道を、各々歩き始めるのでした…。


      おしまい



母親視線で見たら、泣けたわ。
子離れできないクララ。
エレノアのために…と思いながらすることなすことが、エレノアには重荷になっている。
わかってはいるけど、二人が生きるためには、こうするしか無いじゃないの!
キレイ事ばっかり言ってりゃいいってもんじゃないのよ、でも、汚れ役は全部お母さんが被ってあげる。
あなたは綺麗なままでいなさい。
それを200年…。


なんという母の愛!!・°・(ノД`)・°・




だいたい、男じゃないとヴァンパイアを創造できないとか、アホか!って思いますよね。
だって、洞窟みたいなところに入って、ギャ~ってしたらヴァンパイアになるんですよ?
ものすごい「秘伝、男のバンパイア道!!」みたいなんがあるわけでもないんですよ?


何偉そうに、女が…ペッ!ってしとんじゃー!
大体、あのボケ兵士がクララを拐かさなければこんなことにはならんかったんちゃうんか?

ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!

…と思えるほど、エレノアちゃんが可愛くて可愛くて可愛くて…以下略。
クララ姐さんが妖艶で妖艶で妖艶で…以下略。




エレノアちゃんはラブリー・ボーンで主役やってた嬢です。可憐だ。

そしてフランク。
病的なほどに変な子、と思ったら、ほんとに病人やったー。
厭世的で孤独で、健康的なイケメンじゃないところがすごく良かったです。
タイプじゃないけど。

首チョンパシーンがあったり、売春宿のシーンがあるのでR-15かかってますが、
ストーリー的には、きれいな話だと思うですよ。

母と娘の自立の物語。
クララのエレノアを守ろうとする必死さに、
母親なら共感するんじゃないかなぁ。


観て良かったと思える出来にはなってます。
ピアノ音楽が効果的で、叙情的だよ~ん。

ヴァンパイアと狼男に惚れられてあ~~ん、アチシ困っちゃう~よりは面白かったです。
アテクシ的にはっ。

自立できない娘や、子離れできない母親に観てほしいな…。ポチ
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