気狂いピエロの決闘(ネタバレあり) | 映画でもどうどす?

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映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。


どっちに好かれても、あんま嬉しくない…。
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サーカスのピエロ二人が、
絶世の美女をめぐって、三角関係になるよ~ん。



戦争(すごく理不尽な死に方)で父を亡くしたハビエルは、由緒正しきピエロの家系の出身。
一子相伝の北斗神拳のごとく、じーさんもオトンもピエロでおました。

その後を継いだハビエルは、戦争の暗い影を引きずっているため、
子供を笑わせることが出来ません。
そこで彼は、
花形ピエロではなく、泣き虫ピエロと言う、弄られ役になります。


サーカスのメインピエロは、セルジオ。
子供が大好きだけど、暴君でDVなやつ。
曲芸師のナタリアを情婦にして、
気に入らないことがあると、
「このスベタがぁ!」ビシバシボコボコ、と暴力をふるいます。


サーカスの団員たちもピエロのおかげで客が入ってるので、
ついでにピエロ怒ったらキレまくりなので、
彼には逆らいません。


ハビエルは、サーカスにやってきて、
一目あったその日からー、恋の花咲くこともあるー!
そんな感じでナタリアにフォーリンラブですわ。

ナタリアも、セルジオの目を盗んで、ハビエルをデートに誘ったり、
罪作りなおなご。


二人の逢引がばれ、セルジオは激怒。
「おんどりゃー、わしの女と何さらしとんじゃ~!!」
暴力!圧倒的な暴力!!

ハビエルは肋骨を骨折し、入院してしまいます。
しかしハビエルは逆切れし、入院先から脱出。
ケツ丸出しで脱出。
そしてサーカスに舞い戻りセルジオのの顔をめった打ち。
一命はとりとめるセルジオですが、
二目と見られない醜貌になってしまうのでした…。


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犯罪者として警察に追われるハビエル。
ケツ丸出しでいつの間にかマッパになって隠遁生活を送るハビエル。


セルジオは、ナタリアとともに、個人ピエロ業(そんなんあるんか?)で細々と活動していますが、
子供が顔を見る度に泣きわめくので、
「オレはもう子供を笑わせられないのよー、うぇーん」


一方ハビエルも、獣のような生活から人の生活に引きずり戻されるのですが、
彼の狂気は、ますます増加。

苛性ソーダとアツアツのアイロンで自ら顔面を崩壊させ、
セルジオからナタリアを奪取すべく行動開始。



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           こ…こえーわ!!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

自分が最初に気まぐれ半分で撒いた種とはいえ、ナタリアにとっては、
どっちの男も、顔面不気味君。

不気味+DVか、
不気味+思い込み激しすぎか。



どっちも嫌やわ…。


狂気にかられた二人のピエロは、ナタリアの存在をかけて戦います。

しかし、
当のナタリアは、
二人が決闘してるのに、わしゃ知らんがな~~~と投身自殺。

な…何のための決闘やねん?


二人仲良く捕まったハビエルとセルジオは、
お互いの顔を見て、大笑いするのでした。

おしまい。


ナタリア、男運の悪い子…!
DVだけど時折見せる子供好きな面とエッティな部分から、
セルジオから離れられないのでしょうね。


ハビエルは、デブだけど優しい。
その優しさは、傷ついた時には心地良いけれど、
そうじゃない時はきっと物足りない…。


シゲキックスに慣れてしまったナタリアは、
もう平穏な生活はきっと出来ないんだと思います。


で、この舞台になったスペインという国には大きな内戦があって、
様々な映画でその内戦について触れられています。


笑いながら泣いている二人のピエロ。
命を賭してまで手に入れようとしたもの…、
おのれのプライドや信念をかけて手に入れようとしたもの…、
そんなものは結局、自分の思い込みを押し付けてるだけ
で、
ナタリアには、ありがた迷惑やったんちゃうやろか?


それは、なんとなく内戦の構図にも似てる気がします。


グロいシーンがあって…と言われてたので、
期待してたのですが、
グロ目的で観たらちょっとがっかり。
でもいろいろ考えちゃう映画だとは思います。


直木賞じゃなく芥川賞寄りな映画かな?

ハビエルは、誰かに似てる…と思ったんですが、ヨーゼフに似てるんやろか?
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