笑えるタイトルですが、内容はごっつ良かった!
- カエル少年失踪殺人事件 [DVD]/パク・ヨンウ,リュ・スンリョン,ソン・ドンイル
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カエルを採りに行った5人の少年が帰宅せず行方不明になる。
ヤラセドキュメンタリーを作ったせいでで左遷され田舎に飛ばされたテレビマンは、
この事件のウラに何かあれば視聴率ウホウホやんけーと、
ある大学教授の力を借りて新犯人探しに奔走するのですが…。
実際にあった事件が元ネタ。
実はアテクシ、この事件に関して全く知識がなく、
かなりワクドキしながら観ておりました。
ぶっちゃけ、韓国映画は感情がむき出しだし、大げさだしみんなヒステリックだし、
映像は汚いし…でおもしろいと思った作品があまりなかったのですけど、
これは…拾い物でした!
少年たちが行方不明になり、大捜索が始まります。
でも見つからず。
子供が帰ってこないと親が訴えても、
「今日は選挙で忙しいから、そのうち帰って来ますがな」
とそっけない態度。
さすが韓国の警察や!
ところが少年たちはその後も一向に帰宅せず、
大事件になります。
飛ばされたテレビマンは、
「チャァーーンス!」
これいい素材じゃね?
ってな感じで、
「犯人は被害者の親でありますー」
説を唱える大学教授と共に捜査開始。
子供が電話をしてきた時の対応が、あまりにそっけなかった。
そこの家のばーちゃんが、何か訴えてた。
教授がトイレに入ったら、そこんちの旦那が追いかけてきた。
最近、ビフォーアフターした。
なんか怪しげな素振り…隠してることがあるー!!
このような理由から、被害者の一人の父親を犯人はお前だ!と決めつけます。
他にも、選挙当日の事件。
この地区では一票が戦局を大きく変えるような地域なので、
選挙がらみの犯行かも!!と、いかにもな理由までくっつけときました。
ネクタイが気になって仕方ない教授!オサレには真剣勝負!
しかし、教授の言うとおりトイレの中やリフォームしたところを捜査しても、
遺体どころか証拠物件の一つもでません。
つか、
トイレをバキュームで吸い上げてる所まで放送するなんて!!
親を犯人扱いした!と糾弾されたテレビマンと教授。
テレビマンはその後本社に戻ることになりますが、
教授は仕事も名誉も何もかも失います。
彼らが行方不明になってから何年か後の嵐の後、
白骨遺体が発見されました。
家まで後ちょっとの所で何故?
警察はめんどくさいから「遭難して低体温で死んだことにしとこ」と言いますが、
そんなもん親にしたら「何言うてけつかる!!」です。
遺体の頭部には、外傷があり、遭難死なんかじゃなく完全に「殺害」されたことがわかります。
しかし凶器がわからない。
何故犯人が五人もの少年を殺したのかもわからない。
テレビマンは、以前知り合った刑事さんから情報をもらったりしながら独自の調査をします。
ニュースにするのではなく、
純粋に自分が「知りたい」から。
そして、犯人らしき男にたどり着くのですが…。
アテクシ、この映画が、
「韓国三大未解決事件」
ということを知らずに観たので、
最初の「親が子を殺したのでは?」と疑われていくところは、サスペンスフルで非常に良かったのですが、
犯人が、え?誰これ?こんなヤツのこと伏線にもなんにも出てなかったやん!になった時はちょっとがっかりしたことは否めません。
でも未解決なんだから、犯人わかってないんですよね。
(*ノω・*)テヘ
怪しい犯人は居るものの、逮捕にまで結びつかない…。
で!
アテクシがこの映画が素晴らしかです!というのは、この犯人探しの部分じゃないのですよ。
子供がいなくなって、
「遺体を発見する」
と息巻く教授、遺体なんか見つからない…と言う人々。
でも親御さんにしたら、
「誰も生きて帰ってくるって言ってくれない」
と悲しみに暮れちゃうんですね。
子供が行方不明になったら、生きていてほしい…何処かで生きてるんじゃないか…そんな一縷の望みにすがるのが親ってもんですよね。
この件(くだり)はものすごく心に響きました。
未解決事件のまま終わってしまうこの作品。
そんな消化不良感も、
ラストの母親の一言で消えてしまいます。
あの、子供からの電話は実は嘘だったのです。
数えきれないほどのいたずら電話に苦しんでいた夫婦。
事件が皆の心から消えてしまうことを恐れた母親は、
「我が子の声でした」
と言い、
警察がまた捜査をし、事件を終わらせない様に仕向けたのでした。
あゝ、誰がこの母親を責められるでしょう!
もう、ここだけで…このシーンだけで、
アテクシは、観てよかった…と思いましたよ!
母親なら、泣くよ、ここで!!!
韓国映画特有のヒステリックな演技も、この作品に関してはOK。
きちんとした着地点を求めるサスペンス映画が好きな人には、ちょっと消化不良感があるかもですが、
傑作だと思います!
評価は二分するんじゃないかな?とは思いますけどね。
あたしゃ、号泣した母親にもらい泣き。
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