ネットに投下される「おふざけ写真」問題 | マコチンのブログ

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もはや珍しくなくなってしまったネット上への「おふざけ写真」の投稿問題ですが、
最近気になるニュースの1つなので久々に時事ネタで語ってみます。
(活動の話じゃなくてごめんなさい…)

僕はこの問題は2種類に割れると思うんです。

(1)社会的に許されざる犯罪行為を載せて喜ぶ犯罪者
(2)悪ふざけを投稿して喜んでる未熟者

この2つです。

例えば、遊園地などで営業妨害を繰り返し、
企業だけでなく無数の庶民にも迷惑をかけるなど、
悪戯でも悪ふざけでもなく立派な犯罪を
「やってやったぜ!」と投稿する(1)のパターンについては
犯人は犯罪者ですから、庶民からしたら一般的には「悪」であり「敵」です。
これは社会から排除するか、処罰しなくてはなりません。
ですから、すべきです。
何も難しい話ではありません。
犯罪が起きていたら通報があり国が正義を盾に犯罪者に制裁を加え庶民を守れば良いのです。
犯人に対する同情の余地があるかないかは個人の自由ですが、
それは犯罪を裁かない理由には全くなりません。よって法が裁くべきです。
それにより、
犯罪者を管理する企業は責任を取り打撃も受けるべきです。
家族も世間体を通じた社会的な制裁を受けるのは仕方がありません。
犯罪者が所属する大学や企業なども同様です。

一方で、アイスクリームのケースに入ってみるなど、
「悪戯」を武勇伝として投稿する(2)のパターンについては、
さすがに犯罪者として扱うのは酷ですし、そもそも不可能でしょうから、
後は「いたずらっ子」をどう扱うかです。
この「どう扱うか」というところに全てが任されている気がして怖いのです。
例えば飲食店で「悪ふざけ」をし、ネットに投稿した間抜けな若者が1人いたとして、
・飲食店を運営する企業
・若者が所属する組織(大学や会社など)
・近隣の住民
この三者に全てがかかっていると言っても過言ではありません。
ここに誤解が多く、「ネットであれこれ調べられて個人情報も晒されたら終わり」だと
思っている人が多いようですが、ハッキリ言います。それは違います。
犯罪とまではいかない「悪戯」で世間を騒がせたのは事実ですが、
そこに便乗してネットが炎上したからと言って、いたずらっ子が人生を壊す必要はありません。
企業に抗議の電話が殺到したからと言って、会社がその店舗を切り捨てる行為も疑問です。
ネットを騒がせてしまったことで、組織が退学や解雇を通達するのも同様です。

今一度冷静になって、「悪ふざけ」について考えてみるべきです。

企業はまるでトカゲのしっぽ切りのように「もう店舗ごと捨てました」としないといけないような
ある種異様な暗黙ルールが生まれている気がしてとても怖いです。
例えばですが、
「バイトの悪ガキに教育ができていなくて本当にごめんなさい。
 徹底的に人間の内面から叩き直して必ず年内に更正させて世間にも謝罪させます。
 だから今年いっぱい時間をください。」とし、
年末にいたずらっ子が改めてインターネットに向けて更正・成長した姿を見せて、
しっかりと動画で謝罪をすれば、ネット上でもリアクションに変化があると思うのですが、
これは僕が甘いんですかね・・・。
だって、更正してからもその子が同じお店で一生懸命にアルバイトをしていたら、
そういう店舗ってなんだか素敵じゃないですか?
近隣の住民もお店に行って
「あ、例の子ね!もうあんなことしちゃダメよ~。頑張ってね!」
「はい!ご迷惑おかけしまして申し訳ありませんでした!頑張ります!」
なんてやり取りが見られる社会って素敵じゃないですか?

「ネットの使い方」が誤っていたのは直接的な問題です。
もちろん、これについては小学校から国語・算数と並べて教育すべきだと
僕は10年以上前から思っているのですが、
残念ながら日本の文科省は世間の流れと時差があるようなので、改革は起きていません。
(脱線しますが、この間にネットを通じて暴力的・性的・金銭的など、
 あらゆるトラブルに巻き込まれた全ての児童・生徒たちは無数にいることと思います。
 最悪の場合殺されてしまった子もいるわけですが、
 使い方や危険性も教えずにそんな道具を与えてきた
 大人たちによって殺されたのと同じことだと僕は思います。
 とかく、教育のプロであるはずの学校がその分野を軽視しているのは狂気と言えます。)

話を戻します。

まとめてしまいますが、
「犯罪」と「悪ふざけ」をしっかりと見極めて、
制裁なのか情状酌量なのかというところを見誤ってほしくないと強く思います。

ネット上で騒がれて叩かれて追い込みがかけられるのは、仕方がないとしても、
匿名ではない大きな企業が、見えない脅威を恐れるかのように
しっぽ切りに対応するのは、いささか気持ち悪いです。申し訳ないですが。

日本は人情のある国です。
近所付き合いが減った現代でも、目立たないけれど優しい人は本当にたくさんいます。
電車でお年寄りに席を譲るなんて、どこでも起きてます。
鼻血を出して困ってる人がいたら他人がティッシュやハンカチを差し出してくれる
なんてことも、当たり前に起きています。
犯罪以下の悪ふざけをした未熟な若者に、
もう少しだけ「お前が真剣に反省してるなら世間は許してくれるんだぞ」という
希望を準備しておいてあげても、悪いことなど起きない気がするんですが、
皆さんは、どう思うんでしょう?

この国って、まだそんな腐ってないですよね。

「絶対に許すな!このガキを追い込め!企業にも電話だ!」と躍起に書き込む人だって、
1歩外に出て人と接してる時は、もっと寛大で優しいところを持った普通の人なはずです。

そりゃあ、悪ふざけをしたガキんちょが一番悪いです。
でも文部科学省の責任も
スマホを与えた両親の責任も
そこを教育すべきだったお店の店長も
そのお店を運営する企業も
彼らが所属する学校や組織も
みんなみんなが少しずつ心に余裕を持ってくれたら、

インターネットの恐ろしい一面だって、長い目で見ればひっくり返せる気がするんです。

何度も何度も言いますが、犯罪は別です。論外です。
犯罪じゃない「悪ふざけ」は、もう少し見守る余裕がないと、
最後は世の中全体が怖い場所になってしまいそうで心配でなりません。

それが「犯罪」なのか「悪ふざけ」なのか。

そこの区別がしっかりできる人が増えることを願います。