今月の『園山』前菜料理には、
「奥出雲の野花と、ムール貝をのせた黒米のお寿司」がありますが、
味の決め手となっているのは、
黒米お寿司に混ぜ込んだ「実山椒」です。
青山椒とも言われる「実山椒」は、
山椒の未熟の実で、
山椒の数ある部位の中では、最も香りと辛味が強く、
6月頃に出回ります。
特に、
シラスと一緒にした「ちりめん山椒」は有名ですが、
山椒は、
若葉の内は、木の芽、
4月~5月に咲く小さな黄色い花を、花山椒、
秋になり、山椒の実が熟して、2つに割れた皮を粉にしたものが、
粉山椒です。
ピリッと刺激的な山椒ですが、
健胃作用や、体を温める効果も期待されます。
日本のハーブですね。
山椒が主役の料理はなかなかないかもですが、
料理の名脇役としては、
最高の地位を確立していると思います。
私も特に、
春先から夏にかけての料理(主に魚介系に合わせて)に使うことが
多いのですが、
山椒といえば、
うちのお客様から、
ご自宅で栽培なさったという立派な「木の芽」と、
とても素敵なお手製の陶器を頂きました。
店をお帰りになられる際、
玄関先で渡して下さったのですが、
奥様から、
「木の芽みたいな園山さん。木の芽は小さいけど、大きな力と存在感を持ちます。 だから、この木の芽を差し上げたかったんです。 受け取って下さいね、きっと力になるから。 そして、何があろうと、自分を信じて頑張って下さいね。 応援してます。 大丈夫、大丈夫…。」と、
手を握りながら、おっしゃって下さいました。。。
そのお言葉と、手の温もりに、
感激と感動と、色んな思いが込み上げてきて、
気の利いた感謝の言葉が出ませんでした…。
でも、
今もずっと、
その木の芽と陶器が、お守りとなって、
私のそばにいてくれてます。
私も奥様みたいに、
人を勇気づけられる人間になれるよう、
精神の果実を実らせようと思います。