4月半ば、
1950年創業の老舗精進料理店『醍醐 』で、
初物のスイカを食べました。
初物を食べると、
「75日長生きができる」との言い伝えがありますが、
どちら(東か西)を向いて笑うのか忘れてしまってたので、
とりあえず、
ぐるぐる回りながら笑って食べました。
後で思い出したのですが、
「関東では西を向いて笑い、関西では東を向いて笑う」
とも言われてますよね。
理由としては、
関西では、
日が昇る方向としての東らしいですが、
関東の西は、
「関西に向かって初物を食べてるぞ、どうだスゴイだろう!」
なんて意味があるらしいですね。
ホントかどうかわからないですが。
いずれにせよ、
縁起のいい初物を食べたということで、
『醍醐 』のお献立にまいります。
はじめの2品が登場すると、
お次は、
「お凌ぎ(手打ち御前蕎麦)」でした。
「このタイミングで、もうお蕎麦!?」って思っちゃいましたが、
お凌ぎは、
「空腹感を凌ぐ」という意味があります。
また、
お酒を飲む方には、
空腹ではお酒がまわりやすいから、
この段階でお腹にお蕎麦を入れて、
酔いを緩和して下さいってことのようです。
薬味は、
山葵ではなく、
辛子、
さらに、
青海苔と胡瓜おろしがつきそってました。
蕎麦の風味といい、
食感といい、
大絶賛の逸品でした。
続いて、
といった流れで、
「初物スイカ」に出逢い、
「焼き餅お汁粉」で、
おしまいでしたが、
そういえば、
箸袋には、
「雷除箸」と書かれてました。
女将さん曰く、
「雷が落ちても割れない木で、飛騨高山の方の一位の木からできてるんです」
とのこと。
さらに、
裏を見ると、
『五観の偈(ごかんのげ)』が書かれてました。
気になってたまらなかったので、
調べました。
「観」とは、心の眼で観ることを意味しますが、
例えば、
「観光」という本来の意味は、
過去の先人が残した光を心の眼で観ると言うことです。
※一つには功の多少を計り、彼の来処を量る
※二つには己が徳行の全欠を忖って、供に応ず。
※三つには心を防ぎ、過を離るることは、貪等を宗とす。
※四つには正に良薬を事とするは、形枯を療ぜんがためなり。
※五つには成道のための故に、今この食を受く。
簡単に説明すると、
<感謝>他のものの生命に支えられ、犠牲の上に生かされている。感謝していただきます。
<反省>大切な生命を頂ける日々の生活を送っているか、反省していただきます。
<正しい心>形を大切にして、作法を重んじる。姿勢を正しくして、器を取り上げて、残さずいただきます。
<心身の健康>身と心の健康を保持するが故にいただきます。
<菩薩道の実践>限りなく仏になるよう精進努力するが故にいただきます。
ということです。
自分で「ごもっともです」と、
頷きながら書いてました。
よって、
これからも、
動植物の尊い生命を無駄にすることなく、
適量をわきまえて、
感謝して頂き、
食することで得られた逞しい人間力を、
もっともっと社会のために役立てようと思います。
毎年、日本の稲穂が見たいです。