高校の頃、県の大会で2度優勝した。
だが、一番大事な試合で初めて2位に終わり、インターハイには出られなかった。
最後の最後で敗れたことに涙は出なかったが、ひたすら怒っていたのを覚えている。
自分の情けなさにムカついてムカついて…
今思えば、あれがいわゆる「青春」ってやつだったんでしょう。
本屋大賞とか普段なら「ケッ」と思うのだが、これは納得。
箱根を描いた傑作『風が強く吹いている』に比べると、タイムや大会のリアリティが抜群なのもいい。
短距離走なんて文字で成長を表現するのはかなり難しい作業だと思うのだが、実に巧い。
たぶんマンガだと簡単にできるはず。ただ、ここまでの深みは表せないだろう。
フィクションでは絶対に泣けない自分にも、いいなぁと思う場面はいくつもあった。
マイルリレーのところが特にお気に入り♪
素晴らしい本に出会えた。
中学・高校で部活をやっていた方は必読です。
ラストを読むと、話はまだまだ続きそうな雰囲気ですな。
ちなみに主人公はサッカー出身。
両親は鞠サポで、兄はズビロのプロ選手だったりする。
- 佐藤 多佳子
- 一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--
- 佐藤 多佳子
- 一瞬の風になれ 第二部
- 佐藤 多佳子
- 一瞬の風になれ 第三部 -ドン-