先日タイのチェンマイへ、タイ古式マッサージ中級を修得するために行きました。勉強している間に身体が鈍ってしまうといけないので、現地のムエタイジムへ行ってトレーニングしていたところ、ジムの会長から「来週、試合に出ない?」と誘われ、予定外の試合をしてきました。訪タイの目的が、ムエタイかタイ古式か分からなくなってしまいましたが、試合は無事に怪我なくKO勝利し、タイ古式の方も無事に試験をパスすることができました。

日本では少なくとも1カ月前までには試合が組まれ、それまでに体重を落としながら激しいトレーニングをするわけですが、タイの地方では急に試合が組まれるのが当たり前です。タイらしいゆる~い感じで、私もリラックスして楽しく試合ができました。

タイ古式マッサージは今年の初めに初級クラスで、基本となる仰向けの姿勢の施術方法を勉強しましたが、今回は横臥位、腹臥位、座位の手技を勉強しました。

施術を始める前には必ず、合掌をして心を落ち着けてから始めます。これは「ワイクルー」といって、先生への敬意を表すものです。そして、相手に対して一方的に施術をするのではなく、相手と共鳴することによって、相手をリラックスさせ、より効果的な施術をすることができます。日本の整体の場合は手技の技術に重点が置かれていると思いますが、タイ古式マッサージの場合は心にかなり重点を置いています。施術を受ける側もする側も、半覚半眠の状態になることが、理想とのことです。心がリラックスすることによって筋肉が緩み、ストレスも取り除かれ、心身ともに健康になることが期待できます。

日本の整体は15分のクイックマッサージというのもありますが、タイ古式マッサージの場合は短くても60分で、通常は90分~120分かけてゆっくり行われます。世界で最も時間に厳格な日本社会と、ゆったりとしたタイ社会の差がマッサージにも表れていると思います。



(筆:松崎公則)