「玄牝」上映会 | ラトナの繋がる日記

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臨月になりました。

今回の妊娠は、その始まりの時から、夫婦ともに生きるということについて、深く考える機会をくれるものでした。

今週土曜日はデモクラティックスクール創りで場所をお借りしている
素敵な古民家、高鍋の野の花館にて
映画「玄牝(げんぴん)」の上映会をします。


この上映会がわたしにとっては、なんだかこの妊娠期間中の集大成のような気持ちでいます。



原始より連綿と続いてきた、お産というわたしたちにとって根源的で本能的な営み。


舞台となる吉村医院の古屋、と呼ばれる古民家では、大きなお腹をかかえて、薪割りや畑仕事、壁拭きに精を出す妊婦でにぎわう。

かまどに火をくべ、御飯を炊き、一汁一菜の食事をみんなで頂く。

女たちは語り合う。
生命のことを、自分の女という性のことを。

現代に生きるわたしたちは溢れる情報に囲まれ、頭ばかりを使いがち。
お産という、女性の身体性を全開にする瞬間に向けて、身体の感覚を研ぎ澄ませていくように、女たちは生き生きと古屋の労働に励む。


自身の産む力を信じて。
そして産まれてくる新しい命の力を信じて。


「生きるものは生きる、死ぬものは死ぬ。」


そう言い放つ吉村医師は非情だろうか。
医師として、この言葉を言うのにどれほどの覚悟がいるだろうとわたしは思う。

この人ほど生に、死に、命に向き合っている医師はいないと思う。

だからこそ唯一の、稀有な場所なのだ、ここは。


そんな吉村医院の吉村医師、医院を支える助産師さんたち、通ってくる妊婦たちを、葛藤や矛盾もそのままに、強さも脆さも、喜びも悲しみも、生も死も、すべてがあるがままに撮られているこの映画。


そして巡り来る命の誕生の瞬間は、圧倒的に美しい。


河瀬直美監督が、その繊細な感性でたった10分しか撮れない16ミリフィルムを自らまわし、古屋を巡る美しい四季の移り変わりとともに、命をあるがままに捉えたドキュメンタリー。


生きるということ
女性の性のこと
家族とは
命とはーーー


命の根源に響く映画だと思います。


上映会について詳しくはFBイベントページをご覧ください。



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「谷神不死。是謂玄牝」ーー老子
谷神は死せず。是を玄牝と謂う。


タイトルの「玄牝」とは、老子の「道徳経」第六章にあることば。

大河の源流にある谷神は、とめどなく生命を生み出しながらも絶えることはない。
谷神同様、女性(器)もまた、万物を生み出す源であり、その働きは尽きることがない。老子はこれを玄牝ーー”神聖なる母性”と呼んでいる。
(玄牝パンフレットより)



女性だけでなく、男性にも是非見て頂けたらと思います。

必要な方に届きますように。